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液状化被害は、今年元日に起きた能登半島地震でも確認されました。大きな地震でたびたび発生する「液状化現象」。専門家とともに検証すると、“3つの脅威”がみえてきました。(3月9日OA「サタデーステーション」)
■液状化の脅威その1「広い警戒エリア」
1つは、液状化の「警戒エリアの広さ」です。
国土交通省の重ねるハザードマップ内で確認できる「液状化の発生傾向図」をみると、沿岸部だけでなく内陸部でもリスクが高い場所があることがわかります。こうした警戒すべきエリアは全国各地でみられます。
■液状化の脅威その2「影響の長期化」
2つ目の脅威は「影響の長期化」です。
今回の地震で液状化被害が出た石川県内灘町では観測した震度は5弱でしたが、「液状化」で道路は波打ち、住宅被害は1400棟以上に及びます。
内灘町在住60年 大谷さん夫妻
「車はもう斜めになってるし、泥水が溢れ返ってきたので、もう“車出さないと出られなくなる”と思って、家族全員で『車、車』って言って逃げた」
現地を取材して目についたのが、あふれ出た「砂」です。この地域を調査した安田教授によると“砂”が液状化の要因だといいます。
東京電機大学安田進名誉教授
「『砂の地盤が』『ゆるく堆積して』『地下水が浅い』といった3つの条件が揃っていて、そこに強い地震が来ると、『液状化』ということが起こる」
砂などの地盤では、粒同士が緩くかみ合い、その間を水が満たして地面を支えています。ところが、地震の揺れによりかみ合いがはずれると、粒が水中を浮遊する不安定な状態に。これが“液状化”です。
金沢市に隣接する内灘町は、元々あった砂丘を造成した“ベッドタウン”として栄えてきました。実は東日本大震災で液状化した千葉県浦安市なども同じ“砂の地盤”だといいます。
■液状化の脅威その3「避難が難しくなる」
そして、液状化で注意が必要なのが「避難が難しくなること」です。
実際に東日本大震災で“液状化”が起きた宮城県亘理町では、“通常10分でたどり着く避難所に45分かかった”という証言もあります。
どういうことなのでしょうか。私たちは液状化を疑似体験できる施設を訪ねました。
砂が敷き詰められたこの装置の上を仁科アナウンサーが歩いて検証しました。通常時は普通に歩くことができますが、“液状化”の状態をつくると、一瞬にして地面が柔らかくなり、足がとられてしまいました。重いものは地面の中に沈み込む一方、普段地中に埋まっているものが浮かび上がることもあります。
ものつくり大学的場やすし客員教授
「下水管自体は重いものでできていますが、中が空洞なので浮力で持ち上がってしまいます」
被災地では地表に飛び出したマンホールをみかけることがありますがこの原理です。
東京電機大学安田進名誉教授
「マンホールが浮き上がって通行できなくなるなど色々なことが起きるわけです。これによって避難をしようと思ったときに、まず自分の車が動けない。さらに歩いていこうと思っても、そこを避けていかないといけないので大変」
■「海沿いだけではない」液状化リスクが高い地域は?
高島彩キャスター
「地震により液状化が起きると避難自体にも大きな支障が出るということで、自分が住んでいる地域や、よく出かける場所が液状化しやすい場所かどうか気になりますよね」
板倉朋希アナウンサー
「それが確認できるのが国土地理院の「重ねるハザードマップ」というサイトです。洪水や土砂災害など様々なハザードマップを選べるのですが、ページの下の「すべての情報から選択」をクリックし、「土地の特徴・成り立ち」という項目を開くと、「液状化の発生傾向図」というのが出てくるのでクリックします。すると地図が表示されます。紫や赤がリスクの高い地域ということなんですけど、見たい地域をクローズアップして見ることもできまして、例えば、9日朝に地震があった千葉県北東部周辺もリスクが高いエリアといえます。また、海沿いだけなく内陸部にも液状化リスクの高い地域があるのが分かります。大きな河川があったりとか、かつては川だったり、沼地だった場所なども含まれます。さらに、能登半島地震で液状化被害が発生した地域を見てみると、やはり発生リスクが高いエリアと重なっているということがわかります」
高島彩キャスター
「「重ねるハザードマップ」は以前番組でもご紹介しましたし、私自身も何度も見ているんですけれども、液状化の項目があるというのは気づかなかったですね」
板倉朋希アナウンサー
「細かく進んでいく必要があります」
高島彩キャスター
「選択して自分で調べていかないと…ということなんですね。そして、柳澤さん、この液状化といいますと、海に近い場所なのかなと思っていましたけれど、それだけではないと」
ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「河川の上流の方もありましたけれども、この石川の例でいうと、内灘町の名前ですね。内灘の灘という字は“さんずい”に難ですよね。海という意味合いがあるんですよね。ですから昔はここ一帯が海だったということを暗示して教えてくれてる文字なんですけれども、全国各地、意外といろいろと地名の由来を見ていくとそういう地名がたくさんあるんですよね。必ずしもそこが液状化するリスクが高いというわけではありませんけれども、自分が一体どういう町に住んでいるのかということを考える上で、町の名前を1つきっかけにして、その土地がどういう土地なのか調べてみるということも重要なことになるかもしれませんね」
高島彩キャスター
「自分が住んでいる地域だけではなくて、例えばおじいちゃんおばあちゃんが遠くに住んでいらっしゃったりすると、確認してあげて、教えてあげる、そういうことも必要かもしれませんね」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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