57万人が…「歴史上最悪の食糧不安」支援物資搬入に困難も…ガザ“飢餓の危機”迫る【報道ステーション】(2024年3月4日) -芸能ニュース/炎上まとめ

ガザ北部ジャバリア。通りで行われていたのは炊き出しです。お腹を空かせているのは、大人も子どもも同じ。我先にと鍋を差し出します。鍋に入れられたのはスープとほんの少しのジャガイモだけ。お腹を満たすには、あまりにもわずかです。

男の子
「これじゃ足んないよ」

その場にいた全員にいきわたるわけではありません。

男性
「北部全体が飢餓状態です。パン一切れもなくて、ロバたちのエサを食べるほどです」

エジプトとの国境に近い南部ラファでは、学校に避難している人たちにレンズ豆の煮込みが配られていました。メニューはこれだけ。前の日も同じでした。それでも、食べられるだけ恵まれているのです。

人口の4分の1にあたる、57万人以上が飢餓の危機にあるパレスチナ自治区ガザ。「歴史上最悪の食糧不安」と言われる状態にあります。特に子どもの栄養失調は深刻で、北部では6人に1人が急性の栄養不良にあるといいます。

小児科医
「子どもは栄養失調ばかり。死因もそうです。塩分と糖分しか与えられません」

この病院では、これまでに15人が栄養失調と脱水症状で死亡したことが確認されました。

イスラエルとハマスの戦闘が始まって、まもなく5カ月。ガザへの支援は困難を極めています。支援物資の搬入は南部の2カ所に限られ、たとえ中に入っても燃料やトラックが足りず、道路も爆撃でボロボロ。必要としている地域まで行き届きません。

たとえ届いたとしても、支援物資を積んだトラックに市民が殺到。パレスチナ側によると、イスラエル軍の発砲などで100人以上が死亡する事態も起きています。

ヨルダン軍やアメリカ軍などが食料などの支援物資を空から投下していますが、ガザの人口220万人分には遠く及びません。こうした状況にアメリカもいら立ちを隠しません。

アメリカ　ハリス副大統領
「ガザが直面する苦しみを考えれば、直ちに休戦が必要です」

3日からカイロで始まった戦闘休止の協議。しかし、イスラエルは、そこに代表団を派遣しないと決めたということです。ハマス側からガザで拘束されている人質のリストが示されていないことなどが理由です。

一方で、ハマス側は、イスラエルが恒久的な停戦に同意しなければ、人質の解放に応じないとしています。

イスラム教の断食月ラマダンが始まる11日ごろまでの休戦を目指していますが、先は見通せない状況です。

■長引く戦闘　双方の“妥協点”は

エジプトでは、イスラエルとハマスの一時的な戦闘休止に向けた協議が行われています。アルジャジーラによると、3日、仲介役のエジプト・カタール・アメリカとハマス側は協議に参加しましたが、イスラエル側は不参加でした。

BBCによると、アメリカなどが今回提案している休戦案は、ハマスが拘束しているイスラエル人の人質40人の解放と引き換えに、6週間の戦闘休止。その見返りとして、イスラエルが拘束しているパレスチナ人約400人を解放するというものです。

ただ、交渉は難航しています。CNNによると、イスラエル側は、ハマスに拘束されている人質の生存リスト、人質と引き換えに釈放するパレスチナ人の人数を提示するよう示していますが、ハマス側から回答がないため、協議に代表団を派遣しませんでした。一方のハマス側は、人質を解放するためには、イスラエルの恒久的な停戦同意が必要だとしています。

交渉は暗礁に乗り上げた形ですが、妥協点はあるのでしょうか。中東情勢に詳しい、防衛省防衛研究所の西野正巳さんに聞きました。

防衛省防衛研究所の西野正巳さん
「それぞれの今置かれた状況を考えると、妥協点はありそうだ。ハマス側は、組織として生き延びるために恒久的な停戦を望んでいる。しかし、長引く戦闘で住民からの支持が低下するのを懸念しているため、一時的な戦闘休止で妥協する可能性もあるのではないか。イスラエル側は、人質奪還・ハマス壊滅という軍事作戦を達成できていないため、戦闘継続を望んでいる。しかし、ある程度の人質が解放できて、今後も軍事作戦を継続できる一時的な戦闘休止なら交渉に応じる可能性もあり得る」 （C）　CABLE NEWS NETWORK 2024
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