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全国で多発する「表層雪崩」南岸低気圧の影響か 専門家が指摘する“雪の結晶の形”【サンデーステーション】(2024年3月3日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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3日、北海道で雪崩が発生し、巻き込まれた女性1人が死亡しました。
また2日、鳥取で発生した雪崩では2人が行方不明です。
専門家は雪崩の要因としてこの時期、関東にも雪をもたらす南岸低気圧が関係している可能性を指摘しています。

■相次ぐ雪崩北海道で救助の女性死亡

また雪崩が発生しました。場所は北海道北部、利尻島にある利尻山。午後0時半すぎ、「雪崩に巻き込まれた」との通報がありました。警察によると、バックカントリーでスキーなどをしていたとみられる8人のうち、4人が巻き込まれました。1人は死亡、1人は足を骨折する重傷だということです。
きのう2日、発生した雪崩で2人が行方不明になっている鳥取県の大山では7人態勢での捜索が行われました。ただ…
(琴浦大山警察署井上将地域課長)「今、現時点をもって現場の、きょう上げた7名についてはすべて撤収させました」
午後1時、捜索は中断しました。
(琴浦大山警察署井上将地域課長)「やはり現場は非常に不安定だというところで、風も強いようですし、天候が非常に変わりやすいというところで、氷の上に雪が積もっていますので、雪崩がより起きやすい状況にあるのではないかということで聞いています」

■熟練登山者でも「怖い」急変する大山

雪崩事故が発生した大山とは、どの様な山なのでしょうか。長年、大山の山岳ガイドを務めている長妻さんはこの山ならではの特徴があるといいます。
(大山ガイド協会長妻誠二さん)「割と初めての方でも登ろうと思えば登っていけます。ですけど、そこが一番の落とし穴かなと。冬の山としては一旦荒れると非常に難しい山になります。天気さえ良ければ入門の山としてもいいんですけど、その落差が非常に激しい山ではあります」
標高1709メートル。大山はそれほど高い山ではないものの季節風の影響を受け、天候が急変する厳しい山…。長妻さんは今回の雪崩について、数日前の天候が影響している可能性が高いといいます。
(大山ガイド協会長妻誠二さん)「2日前ですが、積雪がありまして(山の上では)アイスバーンの上に積雪が40~50センチ以上積もったということになりますので、状態としては非常に悪いと思います。沢の雪崩地形に踏み込むと非常に危険性は高い、(雪崩の)リスクは高いと思う」

(鴇田明信ディレクター)「今、登山者が下りてきました」
(登山者)「上に行ったらもう風がきつくてホワイトアウトで9.5合目ぐらいまで行ってもう帰ってきました」
今年の1月に大山に登ったという河村さん。雪崩が発生した大山は、これまで十数回登ったときとは違っていたと言います。
(登山愛好家河村勇さん)「サラ砂状態ならぬ、サラ雪状態です。例えるなら海岸の砂浜の上を歩いているような感じで、一歩登っちゃ半歩下がるという感じです」
「気温は冬とは言いながらも登っていたら汗をかくぐらいちょっと暖かいなと」

例年と異なる雪質と気温。今回、雪崩は大山の中腹、登山コースから数100メートル離れた場所で発生。河村さんによると、登山ルートはある地点から一変するといいます。
(登山愛好家河村勇さん)「6合目までは樹林帯があって、それがまだ何とか守ってくれるんですよね。6合目から上はもう何もない。吹きさらしの状態になっていまして、体温を奪われるというか、視界も悪いとどっちに登っているのかも分からなくなる。怖いなっていう印象」
「いけん!いけん!こうなったら終わりじゃわ、やばいやばい。1人じゃけん帰ろう、もう無理じゃ。これだけ白くなったら無理じゃ、やばいやばい。青いポール見失ったらマジで終わり、なにも見えん!これはもう帰ろう、やばいやばい」
山頂へ続く尾根沿いには、風で吹き付けられた雪の塊、雪庇があり雪崩の原因にもなるといいます。
(登山愛好家河村勇さん)「雪庇と言って、あたかも道があるみたいなところにひびが入っているのを目撃したことがある。非常に怖かった思い出がある」

■雪崩要因は南岸低気圧か“崩れやすさ”特徴

長野県・小谷村では、きのう2日も雪崩が発生。巻き込まれた10人のうち、2人は救助され、残りの8人は自力で下山したといいます。今回、指摘されているのは「表層雪崩」という現象です。
雪煙をあげながら一気に斜面を下る「表層雪崩」。そのスピードは時速200キロに及ぶと言います。「表層雪崩」は、古い積雪が気温などの影響で滑りやすい雪に変化し、その上に積もった雪が滑り落ちて起きると言われています。しかし、専門家は、今回の雪崩は降った“雪の質”に違いがある可能性を指摘します。
(防災科技研雪氷防災研究センター上石勲特別研究員)「これはきのうから積もっている雪なんですけど、湿っている雪ですからくっつきやすい雪ですので、こういう雪についてはここから崩れてなだれることはあまりない。低気圧で降る雪が一つの原因となって起きる雪崩が起きやすいということが分かってきています」

先月29日から3月1日にかけて、本州の南側を通過した「南岸低気圧」。日本海側から北日本にかけて大雪をもたらしました。この雪質が、今回の雪崩に影響した可能性があるというのです。
(防災科技研雪氷防災研究センター上石勲特別研究員)「冬型(の気圧配置)で降ってくる雪は、雪の結晶が絡み合う、絡みやすい形をしています。ところが低気圧性の雪の結晶はこういう割と形が単純なもの、いわゆる崩れやすい形の雪」
冬型の気圧配置で降る雪の結晶は、枝葉のような複雑な形をして絡み合うようにまとまり易い一方、低気圧性の結晶は、筒状や柱状をしており、崩れやすい傾向にあるというのです。今回の雪崩は、こうした崩れやすい雪の上に新たに雪が降り積もり、低気圧で降った雪ごと滑り落ちた可能性があるのです。
(防災科技研雪氷防災研究センター上石勲特別研究員)「(今期は)雪が少ないから安全というわけではなくて、南岸低気圧が通過したその後の雪、そういう状況によっては雪崩が普段よりも起きやすいので要注意をしてほしい」

■身近な場所でも“雪の被害”に厳重警戒スタジオ解説

(テレビ朝日ウェザーセンター手塚悠介気象予報士)
「寒暖差も落雪の原因の1つ。それ以外にも室内暖房の使用で屋根から落雪も。太陽光パネルなども滑りやすいので警戒が必要」
「今の時期は雪の重みが危険。1立方メートルあたり重さ50~100キロだが湿った雪は300~500キロと凶器になり得る」

“落雪”スマホや携帯電話が命を救う?
・救助求めて電話
・ライト、ブザー音で知らせる
・GPSで場所特定

寒暖差による雪崩・落雪は3月中旬ごろまで警戒

3月3日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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