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ウクライナ兵「日本に感謝」“撮影禁止”の戦地…現地ジャーナリスト語る戦争の行く末【サンデーLIVE!!】(2024年2月25日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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ウクライナのゼレンスキー大統領は、G7のオンライン会議に出席し、各国に支援の継続を求めました。深刻な武器・弾薬不足に直面し、前線からも軍が後退を余儀なくされているウクライナ。ロシアによる侵攻から2年が経った今、どんな状況なのでしょうか。「サンデーLIVE!!」では、侵攻当初から国内の状況を発信し続けているジャーナリストのボグダンさんに取材。ボグダンさんが語った、ウクライナで起きている変化とは…。

■「日本の支援が希望に」ウクライナ兵士の想い

 ウクライナから5年ぶりに来日したボグダン・パルホメンコさん(37)。首都キーウを拠点に情報発信を続け、日本からの支援物資を難民やウクライナ兵士たちに届けるボランティア活動をしてきました。

 ウクライナでは男性が徴兵の対象で、原則出国が禁じられていますが、これまでの活動が国に高く評価されたボクダンさんは特別に来日することができたといいます。

 ボグダンさんが見せてくれたのはウクライナ兵士たちの想いが込められた国旗です。

ボグダン・パルホメンコさん
「日本の国民の皆様ありがとう。我々はあなたたちを愛しています」

 この寄せ書きは、ウクライナ東部の激戦区・アウディイフカで戦っていた兵士たちによって書かれたものだといいます。

ボグダンさん
「兵士が音信不通になったり、他界してしまう、戦死してしまう。戦地から戻ってきたとしても、片足、片腕がない。そのなかで日本の方から届く支援物資一つひとつが希望になっています」

 アウディイフカの撤退後に、兵士たちからこの国旗を託されたといいます。

中林美恵子さん
「自分たちの思いが(寄せ書きで)届けばという気持ちなのでしょうか?」

ボグダンさん
「そうです。少しでも日本の方からの希望というか、光が届いたことに対する感謝の、恩返しのメッセージなので」

■「戦争止める方法を模索…」国民の心境に変化

 今から30年前、ソ連崩壊後に母親と日本に移住したボグダンさん。幼少期は関西で過ごし中学を卒業後、ウクライナへ。

 大学では軍事学科を卒業。その時の同級生は、今も最前線で戦っているといいます。

ボグダンさん
「僕がここに座っていること、これ奇跡です。本来であればもうとっくに死んでいるはずの存在ですから。僕の友人がいます。軍隊学校出身です。70人の同級生うち、今残っているのは24人」

中林美恵子さん
「残っているということは生き残っているという意味ですよね」

ボグダンさん
「そうです。これが現実なんですね、戦争の」

 ウクライナメディアによると、ウクライナ国土の約26%がいまだロシアの支配下です。

 ウクライナで去年12月に実施した世論調査では、7割以上が「領土を諦めていない」と答えています。一方、大きな犠牲を払ったこの2年間の戦争によって国民の意識は変わりつつあるといいます。

ボグダンさん
「変な形に聞こえるかもしれないですけど、もう今ある所(領土)で(戦争を)止めてしまう方法を模索する段階なのかなと。これ以上行くと、もうあまりにも傷が深くなりすぎて」

■撮影し公開すれば“逮捕”も…制限下で伝える

 ロシアとの戦闘が激化するなかで、戦況の伝え方にも大きな変化が生まれているといいます。

中林美恵子さん
「ボグダンさんみたいにYouTubeでどんどん発信していただくのは、世界の人たちにとっては非常に貴重な学びの機会だと思うんですけど、例えばロシアの人たちにまでウクライナの状況が分かってしまうという問題だって、戦争ですからそういう危険もあるわけですよね」

ボグダンさん
「1年ぐらい前からですね。着弾の瞬間、攻撃の瞬間というのが撮影が禁止になってしまって。撮影したとしてもそれを公開すると、今度は国の方から逮捕されてしまう状況」

 映像や写真がロシア軍に流れれば、位置の特定や攻撃の分析に使用される恐れがあるため、厳しく取り締まられているといいます。

ボグダンさん
「すごく難しい部分で、(映像や写真で)見せられないと(ウクライナで)何が起きているのか分からない、興味が湧かない。そうすると関心が薄れる、支援が少なくなってしまう」

 制約があるなか、ボグダンさんは前線に立つ兵士たちを取材し、その声を日本や世界に伝え続けてきました。

 去年12月にボグダンさんが公開した独占映像で、匿名を条件にインタビューに答えるのは、ロシア軍のドローン攻撃から国を守る迎撃部隊の兵士です。

ドローン迎撃部隊の兵士
「ちょうどここに置いてあるマシンガンを迎撃に使用しています」

 軍の経費削減によりミサイルが使用できず、マシンガンなどの銃でロシア軍のドローンを迎撃することが一般的になっているというのです。

■“海外頼り”の支援減少…ウクライナの未来は

ボグダンさん
「海外からの支援は必要です。ただそれ以上に、支援でずっと国を維持するのはできないですよね。大切なフェーズっていうは、ウクライナ国内でどれだけ実力をつけていくか。すべて海外の支援頼りになってしまって、そこに対するウクライナ国民の不満というのが今の(ゼレンスキー)政権に対してすごく出ている」

中林美恵子さん
「(ウクライナが)NATOに入るとか、EUに入って経済的に発展するとか、様々な外国との関連での戦略というのも、特にゼレンスキー大統領は推し進めているように見えるんですが」

ボグダンさん
「正直、EUにもNATOにも期待はもうしていません。僕は戦争2年、ちょうど今のタイミングですけど、このタイミングでウクライナはNATOに入れてもらえるんじゃないかと、去年、1年前は期待していました」

中林美恵子さん
「ありましたね、そういう期待が」

ボグダンさん
「でも、(加盟の動きについて)話がもうない」

中林美恵子さん
「ヨーロッパからのウクライナに対する疑念としては、やはりソ連時代の官僚制がウクライナにそのまま残っている。いわゆる“腐敗の温床になっている”というふうに見ていますよね。そこを改革してくれないと、ウクライナと同じようにやってはいけないよという意見もありますが」

ボグダンさん
「いやもう本当にその通りで。しっかりとした価値観になじんだ人たちが新しい政権を作っていくような形にしないと(ウクライナが変わることは)僕は難しいと思います」

■今後の戦況は米大統領選が左右?二分する主張

 アメリカ・ランド研究所のラファエル・コーエン氏は「今後の戦況はアメリカの大統領選に左右されるだろう」と、11月の大統領選の勝者によってウクライナへの支援が大きく変わると予想しています。

 大統領への返り咲きを目指すトランプ氏は、これまでウクライナ支援に繰り返し疑問を呈し、「もし自身が大統領になったら戦争を24時間以内に解決できる」と主張。「今後外国への支援は無償でなく返済義務が生じる融資に限定すべきだ」とも発表しました。

 さらにブルームバーグによると、トランプ氏のアドバイザーの1人は支援打ち切りをちらつかせ、ゼレンスキー大統領を停戦交渉の席に着かせることを検討しているということです。

 トランプ氏の主張の裏には、アメリカ国民の支援疲れがあるといいます。ギャラップ社による世論調査によると、2022年8月の時点でウクライナへの支援が過剰と感じているアメリカ人は24%でしたが、去年10月には41%と、この1年で「ウクライナへの支援が多すぎる」と感じるアメリカ人が急増しているということです。

 一方でバイデン大統領は、支援継続を約束しトランプ氏の言動を批判しています。14日にはトランプ氏に対して「ロシアの独裁者に屈服したアメリカの大統領は歴史上1人もいなかった。(トランプ氏は)ばかだ。恥知らずだ。危険だ。非アメリカ的だ」と激しく非難しています。

(サンデーLIVE!! 2024年2月25日OA)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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