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■世界が大注目…日本の甘い焼き芋
東京・浅草。長い行列の先にあったのは、焼き芋です。
オーストラリアから来た人
「めちゃくちゃうまいよ!」
アメリカから来た人
「本当に甘いわ」
「おいしいね!」
実は今、日本の甘い焼き芋に世界が大注目。香港でのイベントでは、日本のサツマイモを手に入れようと、お客さんが殺到する事態が起きています。さらに、ロンドンやドバイでは、焼き芋の試食会が開催されています。
では、日本のサツマイモはどのようにして輸出されているのか?追跡スタッフは、一大生産地の宮崎県へ向かいました。
くしまアオイファーム 奈良迫洋介社長
「こちらが貯蔵庫になっております」
貯蔵庫の中には、うず高く積まれたサツマイモの山があります。その量なんと1000トン。サツマイモの本数に換算すると…。
奈良迫社長
「400万本くらいですね」
貯蔵されているのは去年収穫した「紅はるか」。品質を保ったまま、ヨーロッパやアジアなどに1年を通じて輸出されています。
■タイで焼き芋ブーム…きっかけは「ドン・キホーテ」
その中でも今、サツマイモフィーバーが起きている国が常夏のタイ。タイへのサツマイモの輸出額はなんと5年間で、およそ6倍にも急増。首都バンコクのスーパーをのぞくと、フルーツの王様ドリアンのすぐ後ろにありました。
「AMAIMO」と書かれた日本のサツマイモ。売り場の横にはオーブンがあって、焼き芋を焼いています。1本およそ500円と少しお高めですが、焼き上がる度に、次々とお客さんが購入。一日に300本も売れるといいます。
タイ人の常連客
「焼き芋のネットリとした食感が大好き!ベリーグー!」
「こんなに甘いサツマイモはタイにはないわね」
実は、タイの焼き芋ブームのきっかけは、日本でおなじみの「ドン・キホーテ」。5年前、タイで初めて日本の焼き芋を販売したところ大人気になりました。
タイ人の常連客
「最初は砂糖が入っているんじゃないかと疑ったよ」
「すごく甘いから大好きです」
「店に来たらいつも買うわよ」
その後、焼き芋はタイで独自の進化を遂げ、専門店も続々登場。焼き芋の上に砂糖をまぶしてガスバーナーであぶった後、金箔(きんぱく)をのせて完成です。
こちらのお店では、タイならではの食べ方があるといいます。それはなんと、「凍らせた焼き芋」。シャーベットアイスのように食べるのだとか。
他にも、焼き芋のアイスラテや焼き芋のモンブランアイス、そして冷やし焼き芋なども大人気。常夏の国ならでは、冷たいスイーツとしても進化していました。
■日本の焼き芋、甘さの秘密「3~6カ月間熟成」
なんといっても人気の秘密は、その甘さですが、なぜ日本の焼き芋はそれほど甘いのか?
訪ねたのは、生産地・宮崎県のタイへも輸出している会社。品種開発、栽培に加え、いかに“熟成”させるかが重要だといいます。
タイなどに焼き芋を輸出 SAZANKA 菅生健二社長
「3カ月間から6カ月間熟成させる」
「保管しながらサツマイモを糖化させて、甘くしていく」
保管庫では、土がついた状態で熟成。湿度95%、温度は14℃と厳しく管理され、数カ月かけじっくりと、サツマイモ内部のでんぷんを分解、糖に変化させることで、甘みが各段に増すといいます。さらに、こちらの会社では…。
菅生社長
「最終段階の熟成する設備は、あちらの奥の方にあります。最後に糖度をぐうっと高める設備」
残念ながら、最終的な熟成方法は企業秘密だといいます。
菅生社長
「(Q.絶対にテレビには出せない?)出せないですね」
「自分たちの一番肝となる部分ですので」
こうして、熟成されたサツマイモを焼くと、蜜があふれ出すほどの甘い焼き芋に。
菅生社長
「これが日本のトップクラスの焼き芋です!」
■お酒に合うと人気の焼き芋も
実は、タイにも昔からサツマイモはありますが、定番の食べ方は屋台で売っている「ふかし芋」。その甘さを測ってみると、糖度は7度。一方、先ほどの日本の焼き芋は糖度60度。なんと「いちごジャム」とほぼ同じ甘さです。
そして今、タイの焼き芋ブームはスイーツ以外にも広がります。なんと、お酒に合うと人気の焼き芋があるそうです。使うのは、あの糖度60度の焼き芋です。
1923 エグゼクティブシェフ 原慎二さん
「こんなに甘い物が、世の中にあっていいのかと」
輪切りにした焼き芋に小麦粉をつけて、油で揚げるということは?
そうです、「焼き芋の天ぷら」。焼き芋を揚げることで、さらに甘味が増し、タイの若い世代に大人気。
タイ人の常連客
「甘くておいしい!」
「オイシイ!」
「お酒にすごく合うの!」
さらに、タイの女性たちに大人気だというメニューが「焼き芋のチーズ焼き」です。焼き芋の甘さと、チーズの塩気が絶妙で、リピーターが続出しています。
タイ人の常連客
「おいしいです!」
■焼き芋ブームの裏側に…日本人の仕掛け人
実は、拡大するタイの焼き芋ブームの裏側には、日本人の仕掛け人の存在がありました。
大森響さん(28)は「日本の優れた食材を世界中に広めたい」と、21歳で大学を中退し、タイのコンサルティング会社に就職。これまでバンコク市内の飲食店60店舗で、焼き芋を使ったメニューを開発しました。
大森さん
「タイ人にとって未知だった物が、目の前で食べて『おいしい』となってくれる瞬間とか。やりがいは、すごくありますよね」
この日は、新商品の試食会がありました。タイのスタッフ達と試作していたのは「焼き芋のフライドポテト」です。バーベキュー味やチーズ味など、どんなパウダーが、タイ人の好みに合うのか試します。
女性スタッフ
「バーベキューの味と焼き芋の甘さがすごく合いますね」
他には、焼き芋にハチミツとバターをたっぷりかけた試作品もあります。しかし…。
大森さん
「甘すぎですね」
試食の結果…。
女性スタッフ
「私はチーズ味が好き」
男性スタッフ
「僕はバーベキュー味が一番かな」
大森さん
「いけそうだと思いますね。バーベキュー味とチーズ味は、メニューにしようかなと」
■焼き芋×タイ料理…「相性抜群」「無限の可能性」
一方、なんとタイ料理との融合を図るタイ人の仕掛け人も現れました。カフェ「Rabbits」のシェフ、オンさん(42)です。
オンさん
「日本の焼き芋とタイ料理の相性は抜群なのよ」
唐揚げにした焼き芋をタイ独特の辛くて酸っぱいドレッシングと絡めたサラダ。タイ料理の基本は「辛味」「酸味」「甘味」。その甘さに日本の焼き芋が絶妙にマッチしたのが人気の秘密のようです。
オンさん
「焼き芋とタイ料理、無限の可能性を感じるわ」
さらに、焼き芋のグリーンカレーもあります。お店の名物料理だといいます。
タイ人の常連客
「焼き芋のサラダがすごくおいしかった」
「日本の焼き芋は知っているけど、まさかタイ料理にこんなに合うなんて新鮮だよ。驚きだよね」
さらに、こちらのタイ料理のレストランでは…。
the rabbit’s grove cafe & restaurant オーナー ノックさん(46)
「甘いのが好きなタイ人には、日本の甘いサツマイモが合うと思ったの」
オーナーのノックさんが店のオープンの際に目を付けたのが、焼き芋で甘さを知った日本のサツマイモでした。
その料理が、「サツマイモマッサマンカレー」です。
定番はじゃがいもを使う「マッサマンカレー」。今タイでは日本のサツマイモ自体も新しい食材として注目され、思惑通り店の看板メニューになりました。
タイ人の常連客
「カレーの辛さと、サツマイモの甘さが絶妙なの」
「とてもオイシイです。シアワセ」
タイとの出会いで、新たな可能性を広げる日本の焼き芋。
タイ人の常連客
「日本の皆さんにも、ぜひこの料理を食べてもらいたいわ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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