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茨城県境町。去年12月、住民の新たな移動手段ができました。自動運転バス・Mica。人に代わってコンピュータシステムが運転をするレベル4に対応した乗り物です。将来的には国の認可を受けて、レベル4で走行することを目指しています。
自動運転のレベルは1から5までに分かれています。レベル2までは運行の主体が人となりますが、レベル3以降は運行の主体が車のシステムになり、レベルが上がるほど性能の高い自動運転ができます。
去年4月の道路交通法の改正で解禁されたレベル4の自動運転。バスでの導入はまだ実現していません。レベル4の自動運転とは、一体どんなものなのでしょうか。
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「来ました!おー誰も乗ってませんよ!これぞまさにレベル4・自動運転!」
目の前で止まったのは無人の車。車内にはハンドルどころか、アクセルやブレーキもありません。案内をしてくれたのは自動運転バス事業を運営するボードリーの佐治友基社長です。
テレビ朝日 平石アナウンサー
「ここにコントローラー。これでコントロールできる?」
BOLDLY 佐治友基社長
「できますし、基本的にはこれを使わずに自力で発車します。横に動くエレベーターって感じで」
自動運転で運行するというこの車両。走行中の障害物にはどう対処するのでしょうか。
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「このままだとぶつかる!おぉ!右に曲がる。少し冷や冷やしましたけど、避けました」
人が操作をすることなく車が障害物を検知して避けました。こうしたレベル4の自動運転が、早ければ2023年度にも実現する可能性があります。
バスの乗務員不足で交通手段が不足する問題を解決する切り札となるのではと期待が高まる“自動運転バス”。全国に先駆けて導入した自治体。それが、茨城県境町です。人口およそ2万4000人の小さな町には鉄道の駅がなく、自家用車以外の移動手段はバスかタクシーのみです。交通手段が少なく“陸の孤島”と言われてきました。
◆「市民の足」支える“自動運転バス”
この町で2020年から導入されたのが…。
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「今、バスが入ってきましたね」
この自動運転バスです。運賃は無料でオペレーターが乗り込み、レベル2で運行していますが、緊急時を除き、操作の大部分が自動運転で行われていると言います。
現在、境町のスーパーや病院などをつなぐ往復およそ8キロの2つのルートで毎日運行しています。幹線道路ではない町中の道も走り、路線バスが走行しない範囲をカバーしています。
地元の人は。
乗客(80代女性)
「すごく可愛いね。(導入した)最初から利用しています。(買い物の時)荷物があるから便利」
一方で、自動運転の安全性について懸念する声もありましたが、それはどう解決したのでしょうか。
BOLDLY 佐治友基社長
「飛び出してみましょうか?3メートル手前で止まるんですけど、ちょっと高後ろに下がると…。バスが、また同じ所まで近付く。もう一回飛び出します」
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「大丈夫かな、お、止まった」
BOLDLY 佐治友基社長
「こんな感じで、すぐブレーキが掛かる」
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「そもそも、スピードを出さない?」
BOLDLY 佐治友基社長
「そうなんです、時速20キロを上限にしてゆっくりと走っています」
車体に設置された複数のモニターとセンサーで、人の動きや障害物を即座に感知。突然の飛び出しにも対応できると言います。安全管理はこんな場所でも…。
◆全国の“自動運転バス”の心臓部とは?
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「モニターが並んでいますね」
BOLDLY 佐治友基社長
「全国の自動運転バスの様子も見えますし、この町も監視しています」
大型のモニターには、境町だけではなく、北海道上士幌町、愛知県日進市など、全国10の地域でバスが運行する様子が映し出されています。
テレビ朝日 平石直之アナウンサー
「アラートが鳴りました」
BOLDLY 佐治友基社長
「何か障害物を検知したかブレーキが掛かったのか、お客さんとか車内に影響がないか、確認するところです」
急なブレーキや乗客の動きに異変があるとアラートが鳴るなど、徹底した安全管理を行っていると言います。そんな自動運転バスは、境町に経済効果をももたらしたと言います。
◆“自動運転バス”で町に経済効果と変化が
群馬から来た人
「群馬から来ました」
「(Q.このバスに乗りにですか?)そうですね、気になって」
その話題性からくる集客効果は、運航開始から3年ほどで、報道などによるPR効果を含めおよそ28億円の経済効果をもたらしました。そして、こんな効果も…。
境町観光協会 野口富太郎会長
「今まで路駐してたところが本当になくなった。自動運転バスが常に通ってるので、住民の方も(敷地の)中に入れようということになる」
路上駐車以外にも、住民が自動運転バスを気遣うような運転をするようになったと言います。今後も様々な地域で導入が検討されている“自動運転バス”。受け入れる側にはこんな考えも必要だと佐治社長は語ります。
BOLDLY 佐治友基社長
「自動運転バスの完璧じゃないところを理解して、住民たちと一緒に作っていくことで、もっと早く(色々な地域で自動運転バスを)導入できるということが、どんどん起きてくると思う」
(サンデーLIVE!! 2024年2月11日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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