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■時計を預けた男性「怪しいなと思っていて」
時計を4本預けた男性(40代)
「うわー、はめられたって思いましたね」
時計を2本預けた男性(30代)
「悪意しか感じられないですね」
戸惑いの声を上げているのは、ロレックスやオメガなど高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の利用者です。
「トケマッチ」は高級腕時計をオーナーから預かり、その時計を貸し出すというサービス。腕時計がレンタルされたかどうかにかかわらず、オーナーには手数料として月額預託料が振り込まれるシステムです。
預託料は5つにランク分けされていて、評価額が100万円以下の腕時計は月1万4900円、150万円以下は1万9900円が支払われます。
2021年1月からサービスを開始し、ホームページによると、去年8月までに預かった時計は1500本に上るといいます。
しかし、先月末に事態が急変します。
「トケマッチ」を運営する合同会社ネオリバースのホームページから
「トケマッチはサービスを終了しました。これまで、ご愛嬌(あいきょう)ありがとうございました」
「ご愛顧」を「ご愛嬌」と間違えたのでしょうか。突然のサービスの終了と運営会社ネオリバースの解散を発表しました。
腕時計を預けていたオーナーは、次のように話します。
時計を2本預けた男性(30代)
「色々自分でも調べて、怪しいなっていうのは思っていて。戻ってこない可能性があるっていうのは、そこまで考えていなかったです」
初めて買ったスイスの老舗・ブライトリングなど、2本で190万円の時計は今もまだ手元に戻ってきていません。
■男性が「45本の腕時計」を預けた理由
番組では、多くの腕時計を預けてしまったバイヤーの男性に話を聞くことができました。
バイヤーの男性(30代)
「(預けた時計は)45本です。総額で買った時の金額は、7000万円ぐらいはありますね」
その数45本。3年前から少しずつ預け、総額は7000万円に達しました。
なぜ男性は、45本も預けてしまったのでしょうか。
時計を45本預けた バイヤーの男性
「雑誌とかにも掲載されたり、テレビCMでも放送されたりとか。(ネオリバースの)代表がテレビとかに出演していたので。今思うと、認知度をそこで獲得していく意図があったのかなと思いますね」
去年12月までは滞りなく預託料が振り込まれていたなかでの突然の解散発表でした。
驚いたオーナーはSNSを通じて連携し、情報交換を始めました。返却されない腕時計は少なくとも651本、総額40億円にも上るとみられています。
さらに、数本の時計はオークションサイトに売り出されているとの情報も出ています。
チャットグループを運営する男性(30代)
「(被害額が)数百万円ではなくて、数千万単位の人も出ているので。人生が終わってしまうような被害の人もいるので。そういった人を減らすということをやっていかないといけない」
■弁護士が着目した文言「6カ月を目安に配送手配」
腕時計は、いつ返却されるのでしょうか。運営会社のネオリバースは、“返却をするが、難しい場合もある”とコメントしました。
トケマッチを運営する合同会社ネオリバースのホームページから(先月31日更新)
「ご返却につきましては、本日より6カ月を目安として発送手配いたしますが、ご返却が難しい場合、損害賠償の金額をお支払いさせていただきます」
ネオリバースの連絡先に電話しましたが、電話がつながりません。登記簿をもとに会社がある大阪市の住所を訪ねました。
ホームページでは全面ガラス張りのビルの写真が掲載されていますが、外観が全く違います。そこにあったのは11階建ての雑居ビル。インターホンを押しましたが、応答はありませんでした。
専門家は、次のように話します。
エジソン法律事務所 大達一賢弁護士
「サービスが破綻しているにもかかわらず、それを隠して(オーナーから)引き渡しを受けた場合、時計を集めた行為自体が刑法上の詐欺罪に該当。会社の資金繰りが苦しいから、この時計をお金に変えてしまうことがあった場合、業務上横領罪という話になる」
専門家が着目したのが、6カ月を目安に配送手配するという文言です。
大達弁護士
「(運営会社は)6カ月後に返すつもりがあるという話で、(警察が)動きにくい理由の一つになってしまうと思う」
オーナーらは、警察に相談しているということです。
チャットグループを運営する男性
「何としても、1本でも1人でも多くの人を救うというか、時計を守るということをやっていくしかないかな」
(「グッド!モーニング」2024年2月9日放送分より)
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