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一体、どんな人が買っているのでしょうか?
■七尾市…震災の影響で空き家さらに増える可能性
最大震度6強を観測し、1万1000棟以上の家屋に被害が出た石川県七尾市。
七尾市の空き家率は19.1%と、全国平均の13.6%を大きく上回っています。
地元の人
「空き家すごく多い。空き家は完全に増えている。(横の住宅は)6年前とか。2人とも亡くなって空き家になった。真裏の家も亡くなって。見てもらえば分かるが、戸が開いたままで、家財が全部倒れている。敷地も結構、液状化で浮いている」
震災の影響で、今後、空き家がさらに増える可能性があります。
地元の人
「(Q.余震も続くなか、空き家がこの状態なのは?)やっぱり怖い。いつ倒れるかという感じなので。(持ち主に)連絡取れればいいけど、それもできないので」
近い将来、高い確率で発生すると言われている「南海トラフ巨大地震」でも、200万棟以上の建物被害が出ると試算されていています。
■投資家も“ワケあり物件”熱視線 リフォームし…
そんななか、家を売りたいという電話がひっきりなしにかかってくるのは、“ワケあり物件”を専門に扱う不動産会社です。
買い取り業者「AlbaLink」 不動産売買事業部
井口亮部長
「毎月600~700件ぐらい相談があって。相続したが使わない不動産や、いらない不動産が年々増えている」
高齢化が急速に進むなか、空き家の相談件数は2020年のおよそ7倍に急増。買い取った件数は、およそ13倍になったといいます。
買い取った空き家は、どのように活用されるのでしょうか?
井口部長
「(投資家が)ボロボロの状態で(買い取り)、自身でDIYやリフォームされて、賃貸で運用している。そういうことが好きな投資家さんがかなりいる」
やや暗い印象だった和室は、明るい光が差し込む部屋に。洗面台や浴室なども大々的にリフォームされ、新しく生まれ変わりました。
リフォーム費用は、住宅の状態などによっても異なりますが、60平米の戸建てなら、150万円~300万円程度。100平米の戸建てなら500万円前後だといいます。
井口部長
「お問い合わせいただくお客様で、他の不動産会社に聞いたけど、断られてしまったという方が極めて多い」
■「空き家はひとごとじゃない」“孤独死”戸建ても…
なかなか買い手が見つからず、断られるケースが多い空き家。取材した築33年の埼玉県加須市の住宅も、その一つです。
相談者
「こちらトイレなんですけど、ここで父が亡くなっているのが発見された。警察から身元の確認をしてくれと、電話がかかってきて。病死なのは間違いないだろうと」
相談者の80歳の父親が自宅内で亡くなった、いわゆる“事故物件”。父親は離婚して以降、30年以上一人暮らしだったといい、去年9月、自宅を訪ねた父親の知人がトイレで亡くなっているのを発見しました。死後数日が経過していて、孤独死でした。
相談者
「1週間遅れていたら、さらにひどいことになっていたと思う」
国のガイドラインでは、病死や自然死で特殊清掃が行われた場合、賃貸では事案発生から原則3年間、売却では無期限の告知義務が発生します。
コロナ以降、家族が遠方に住んでいるため、なかなか会いに行けず、亡くなったことにしばらく気づかないケースが増えているといいます。
相談者
「兄弟みんないい年齢で、家族があったり仕事があったり、生活の拠点が別にあるので。家のために、それを移すのは難しい。処分を前提で、代表として私が相続することに」
「金額が付かなくてもいい」と、すぐに処分できると考えていた相談者。兄弟で手分けして、不動産会社に相談しましたが…。
相談者
「家の状態、さらに加えて事故物件ということもあって、(処分は)引き受けられない。ニュースで空き家問題とかやっているけど、本当、まさに当事者になってしまった。本当に焦った。空き家はひとごとじゃない。そこに尽きる」
今回、ようやく買い取ってもらえ、すでに売却先も決っています。
■築58年…“ボロボロ空き家”売却金額いくら?
売却が難しいのは、“事故物件”だけではありません。
東京・江戸川区の住宅が立ち並ぶ一角。外壁は崩れ、庭木は伸びっぱなし。築58年のこの空き家は、10年ほど放置されたままでした。
天井もガムテープで補強されていますが、崩れてしまっています。置かれている洗面器には、なみなみとたまった水があります。
買い取り業者「AlbaLink」 高田星碧さん
「(Q.これは全部雨漏りの水?)そうですね。その都度、補強補強みたいなことは聞いてはいるが。住んでいる時から、ある程度雨漏りしてしまったのでは」
家財がそのままの状態で売却を依頼されたといい、廊下や階段には当時の住人の荷物が大量に置かれていました。
2階の部屋には、洋服もタンスもあり、床の上にある新聞紙などもそのままです。奥にも段ボールが積み上がっていて、すごい量です。床もミシミシし、へこんでいるのが分かります。
この空き家の問題は「残された荷物の量」。すべて撤去するのに50万円~60万円程度かかることから、買い取り金額が下がりました。
高田さん
「(Q.買い取り金額はいくら?)買い取り金額は300万円になった。空き家期間が続けば続くほど、建物が傷むスピードがはやく、買い取り金額に影響が出てくる」
■12年放置…床傾き&雨漏りでも売れた
長く放置したため、価値が下がってしまった物件は、他にもあります。サビついた外壁に大きな穴が開いた築37年、千葉県旭市の空き家です。
相談者 佐藤仁光さん
「(最近)行ってないねというんで、来たらこうなっていた」
相談者の佐藤さんは20年前、およそ3000万円でここを別荘として購入しました。しかし、東日本大震災をきっかけに仕事が忙しくなり、12年間空き家状態に…。
佐藤さん
「自分が出した金額というのが、頭から抜けないから(売る決断が)できなくて。日にちだけが経って、価値がどんどん下がった」
「またいつか使うだろう」と、コロナ前までは定期的に掃除に訪れていましたが、自分で維持管理を続けるのは難しいと、今年、手放すことを決めました。
買い取り業者「AlbaLink」 金原範和さん
「ここ結構、雨漏りしてますね。外に穴開いていたので、水が入ってきてしまって。ここがちょっと腐食しています。サビていて開かないですね、雨戸は」
床の傾斜を調べてみると…。
金原さん
「これ、床が傾いている。傾いていると、建物自体がどんどん傾いていくので。購入後はこの傾きを直してあげないといけない」
佐藤さん
「しょうがないと思います。どんどん腐っていくのを待つよりは。自分で維持管理できるかというと、それも無理なので。建屋自体がかわいそうだから、壊すのではなくて、リフォームして使っていただけるならうれしい」
(「グッド!モーニング」2024年2月2日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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