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■構造が年々複雑化…修理費用は誰払う?
鍵のトラブルに24時間365日対応しているのが、「カギの救急車新宿店」です。
東京・新宿区にあるマンションの管理人から、「ごみ置き場の鍵が突然回らなくなった」という連絡を受け、現場に行きました。
管理人
「今、電話あって、差し込んだ時に折ったらしい」
このマンションの女性が鍵を開けようとしたところ、中で折れてしまったというのです。問題となっているのは、マンションの裏手にあるドアです。
管理人
「これは中から開けられるやつなんですよ」
中からはいつでも開けられますが、外から開けるには鍵が必要になるという特殊なタイプで、このままでは外から入ることができません。担当するのはキャリア20年のベテラン・荻野豪さん。ドアノブを見るなり、その表情が曇ります。
荻野さん
「これは厄介だな。中に入っているんですか?」
本来、鍵が折れてしまった場合、ドアノブを分解して折れた鍵を取り出せばいいのですが…。
荻野さん
「(ドアノブを)バラせないんですよ。ちょっと厄介な鍵ですね」
このドアノブは分解できないタイプのため、ほとんどの場合はドアノブごと交換するしかないのです。
荻野さん
「結構、奥のほうで(折れた鍵が)残っていて。このケースはなかなか取れないんですよ」
なんとか鍵穴から引っ張り出せないか試みますが、なかなかうまくいきません。
荻野さん
「(Q.ダメそうですか?)交換ですね。取り寄せで」
思わず、管理人からこんな本音が出ました。
管理人
「なんでこういうことしてくれるんだって感じ。帰りたい」
取材をしたのは、年の瀬も押し迫った12月30日の正午。本来なら業務は午前11時で終了しているはずでしたが、まさかのトラブルで残業を余儀なくされていたのです。そこへ、鍵を折ってしまった本人が戻ってきました。
鍵が折れた女性
「(鍵穴に)入れたら、もうパキって」
「(Q.結構、根元から?)そう、これ根元で。(折れた鍵は)そのままだったけど、どうしていいか分からなかったから、きょう管理人さんに電話して」
すると、ここから思わぬ展開になります。
荻野さん
「交換ですね。取り寄せて」
女性
「え~、うちが(料金)出すんですか?」
管理人
「担当と連絡取っているんだけど、もう休みだから」
女性
「でも、これ超劣化だと思うんですけど。うちが払うのはおかしくないですか?」
管理人
「あとは(管理)会社と…」
女性
「いやいやいや。たまたま、うちの鍵が折れただけで。何のために管理費払っているか分からないから」
女性は間違った使い方をしたわけでもないのに、ドアノブの交換費用すべてを自分が払うのは納得がいかないと主張します。すでに管理会社は年末年始の休みに入っていて連絡がつかず、管理人もどうしていいのか分かりません。
管理人
「今すぐは換えられないよね?」
荻野さん
「取り寄せに1カ月から1カ月半くらい」
女性
「いくらですか?」
荻野さん
「多分4万円くらいじゃないですかね」
管理人
「きょうのお金は?」
荻野さん
「結構です。何もできてないので」
後日ドアノブを交換した際に誰が費用を支払うのかは、休み明けに女性が管理会社と話し合うことになりました。
女性
「最悪なんですけど」
管理人
「こっちも最悪だよ」
女性
「すみません。(管理会社に)電話したらどうなったか言いますね」
管理人
「教えてください」
■ディナー間に合う? 無言の“圧力”
年末年始は帰省や旅行がらみのトラブルが増えます。続いての依頼者は、とにかく急いで鍵を開けてほしいと訴えます。一体、何があったのか聞いてみました。
依頼した女性
「旅行に行っていたが、猫の世話があるので、それだけのために戻ってきた。家にそろそろ着くから、鍵を用意しようしたら無いと気付いた」
女性は夫と新潟に1週間旅行中ですが、猫の餌(えさ)をやるために一時帰宅。ところが、旅行先に残してきたカバンの中に鍵を入れっぱなしにしてしまったたというのです。急いでいる理由は、中で愛する猫ちゃんが待っているから…だけではありません。
依頼した女性
「きょう大みそかで、夜ご飯も予約しているんですね」
夫が待つ新潟でディナーの予約をしているため、午後5時には再び新潟に戻らなくてはならないのです。
依頼した女性
「(Q.バタバタですね?)もう最悪ですね。悲しすぎます。大みそかで」
時刻は午後1時半、新幹線の時間を考えると猶予はありません。依頼者からのプレッシャーを感じながら担当の宮澤勝哉さんは、冷静に作業を進めていきます。
依頼した女性
「他にもお願いしていた業者が(料金が)高くて、壊さないとできないと言われたので。こちらでお願いしたんですよ」
作業開始からおよそ10分後…。
依頼した女性
「開いたけど!開いたけど!ありがとうございます!すみません!」
女性は一目散に猫の元へ。今回、料金は2万6400円かかってしまいましたが、無事、猫に餌をあげることができました。
依頼した女性
「(Q.猫ちゃん大丈夫でした?)猫大丈夫でした。悲しそうな顔してましたね。どう思ってるか分からないけれど」
宮澤さん
「時間余裕ありそうですか?大丈夫そうですか?」
依頼した女性
「あります」
宮澤さん
「良かったっす。鍵を忘れてきたりとか、荷物と一緒に鍵を郵送して鍵を開けられないとか、そういうトラブルもあるので。またご自身戻られる時に気を付けて下さい」
■“謎のプレート”…電話説明も一苦悩
最近増えているのが、外国人からの依頼です。
鍵業者
「鍵はなくしちゃったんですか?」
依頼者
「はい」
板橋区のアパートで助けを待っていたのは、ベトナム人のカップル。買い物の途中で鍵を落としてしまい、寒空の下、4時間も外で待っていたといいます。
ベトナム人男性
「(Q.日本に来て何年?)5年くらい」
「(Q.今までカギをなくしたことは?)そう、初めて」
担当の清水さんは、ものの数分で鍵開けに成功しますが、ドアを開けてあることに気付きます。
清水さん
「部品がないね、これね」
鍵の周りにあるはずのプレートが付いていないのです。これがないと鍵がゆがんでしまい、開け閉めができなくなるといいます。すると依頼者の男性が…。
男性
「これですね」
清水さん
「あー、そうそうそう!」
男性によると、入居した時から付いておらず、謎のプレートとしてとりあえず保管していたそうです。
本来管理会社に頼むべき案件ですが、外国人にとっては電話で説明するのも一苦労です。清水さんは無償で修理をすることにしました。
清水さん
「入居したのはいつ?」
依頼者
「5カ月前」
清水さん
「大丈夫なもんだね。私からすると、すぐに開かなくなりそう。でも、大丈夫なんだね。これで終了です」
こちらも無事修理できました。
清水さん
「ベトナムでは正月ある?」
男性
「あります。でも、(再)来月の10日」
清水さん
「旧正月、国によって違いますね」
最後は雑談しながら、緊張している依頼者の気持ちをほぐしてから、鍵開け分の料金1万9800円を受け取り終了しました。
(「グッド!モーニング」2024年1月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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