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金沢より近い七尾を奥能登復旧拠点に…課題は断水 長期化の原因『県水』とは【報道ステーション】(2024年1月22日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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震災後、運休していたJR七尾線が22日、一部区間で運転を再開しました。金沢と七尾をつなぐJR七尾線は、市民の重要な足です。
買い物で金沢へ行く人:「孫がね、竪町(金沢市内)まで行きたいんですって。ウィンドウショッピングでもして、ストレス解消しようと思って」

ほんの少しですが、日常が戻ってきました。
JR西日本七尾鉄道部・江下喜久夫部長:「(Q.金沢方面から電車が到着して、お客さん降りてきていますが)20日間、お客さまが、この駅の中に1人もいませんでした。それが、こうして戻って来て、鉄道人として、うれしい」

これで、やっと避難のめどがついたという人もいました。
大阪へ避難する人(88):「たまたま娘が大阪におりますもんで、『おいで、おいで』と言うので。うれしいです、もうありがたくて」
七尾在住の娘:「水が出ないことで、どうしようもなくて、避難してもらうしかない。運行してくれると聞いて『よかった』『もう直通でいける』と思いました」

なかなか踏み出せなかったボランティアの受け入れにも道筋がつきました。
七尾市災害ボランティアセンター・高木伸安さん:「一般のボランティアを受付した際に、交通渋滞を引き起こさないためにも、電車等を利用していただいて、こちらの方に足を運んでいただければと。きょう開通したことは非常に喜ばしいことだなと」

こうした状況に、七尾市からは“この地を能登半島の復旧拠点に”という提案が出ています。
七尾市・茶谷義隆市長:「災害支援の方たちの宿泊場所として受け入れられることができるようになれば、金沢、加賀地方、富山からの支援者が七尾から奥能登の復旧に向かえ、時間的にも短縮されるので、中長期的には、七尾市が災害のいろんな拠点になる必要がある」

七尾市は、奥能登につながる要衝です。西の海岸線を走る国道は、土砂崩れの影響でいまだ通行できません。そのため輪島市へは、七尾市から穴水町を経由して北上するのが主要ルートになっています。さらに東へ行くと、能登町や珠洲市への道もつながっています。

七尾市が、前線拠点としての機能を有すれば、人や物資を送りやすくなることは間違いありません。さらに、七尾市中心部から5キロほどのところに温泉街があるのも利点です。もし、ここで作業員やボランティアを受け入れられれば、毎日、金沢まで戻る必要がなくなり、時間という有限の資源を効率良く使えるようになります。

ただ、それを実現するには、ハードルがあります。温泉街でも断水が続いているからです。七尾市によりますと、市の中心部や和倉温泉の水道復旧は、4月以降の予定だそうです。

和倉温泉にある宿では、発災翌日から10人前後の復旧作業員を受け入れてきました。「来月以降も受け入れは可能か」という問い合わせが、たくさん来ているそうです。
和風旅館花ごよみ・北村金次主人(68):「(お客さんに)水が来ないことを連絡するんですかね。こちらの方から。二の足を踏んでしまう方、復興業者さんも。どうしても日常のお風呂とか洗面トイレがないと、かなり困りますので。皆さん、水の関係で断念している方が多いですね」

もう1つ、別のハードルもあります。七尾駅から和倉温泉までの線路上には、地震で動けなくなった特急車両が、今も取り残されています。これらの復旧を進めた先に“復旧拠点”の話が現実味を帯びてくることになります。

■22日午後2時時点の断水の状況です。

石川県によりますと、七尾市や輪島市など8つの市と町で、合わせて約4万9000戸で、いまだ断水が継続しています。

そんななか、県は21日、水道の復旧時期について見通しを発表しました。珠洲市は、2月末から一部地域で仮復旧の見込み。輪島市・穴水町・能登町は2月末~3月末に仮復旧の見込み。七尾市は、七尾市街・和倉地区・能登島地区を中心に4月以降となる見込みです。

なぜ、七尾市の方が水道の復旧に時間がかかるのでしょうか。そこには、七尾市の特殊な事情があります。
七尾市の水道は、『自己水』と『県水』を利用しています。自己水とは、市内の地下水や河川の水などを浄水し、利用している水。県水とは、一級河川などの水を、県が管理する浄水場で浄水し、県内の市や町に供給している水。市街地や和倉温泉など7割の世帯で、県水を受けています。

この県水が、七尾市の断水が続いている大きな理由です。七尾市の県水は、100キロほど離れた手取川という一級河川から取水して、水道管で水を送っています。今回の地震の影響で、一部区間で送水が停止。順次、復旧作業が続いていますが、20日時点で、七尾市の供給地点までの約7キロで漏水調査が続いています。その調査と補修を終え、送水が開始されるまでに2カ月以上かかる見込みです。そのため、ここの部分の補修が終わらないと、七尾市に県水が届かない状況です。

なぜ、七尾市の水道管調査や補修には時間がかかるのか、県の担当者に聞きました。
「漏水を確認したら、水道管を掘り出し、水を通して漏水箇所を特定。破損した部分を取り替える。漏水調査は、水道管などから伝わる漏水音を、特殊な器具を使って1カ所ずつ耳で調査する。ただでさえ手間がかかる作業に加え、遠くの七尾市まで水を送るには、高い水圧が必要。少しの破損でも見逃して水を通してしまったら、二次被害につながる。そのため丁寧な補修に時間がかかる」といいます。

七尾市から北部の輪島市や珠洲市などは、県水を利用せず、“自己完結”しているため、復旧が少し早まるとみられています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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