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■「もう住めない」道がゆがみ 家傾く
家に貼られた赤い紙。倒壊の危険があるため、もう住むことはできないと判断されました。
倒壊の危険がある家の住人
「これじゃ住めないなと思って。残念ですけど。何を悪いことしたんだろうって」
震度5弱の揺れを観測した金沢市のベッドタウンである内灘町。地震後に液状化現象が起こり、町は壊滅的な被害を受けました。
道路は大きくひび割れて盛り上がっています。駐車場の車はタイヤが見えなくなっています。男性の自宅も大きく傾きました。
住人
「(扉が)ひとりでに開いていく。自動ドアになっているところもあるし」
「これ以上、傾いたら眠れない」
■自宅傾き「廊下が坂になっている」
被害があった住宅に倒壊などの危険はないのか、17日に行われたのはその調査です。赤は危険、黄色は要注意、緑は調査済みを表します。
応急危険度判定士
「(Q.この段差も?)元々ここにあった。これが地盤沈下で下がった」
県と町で3日かけて調査を行い、建物の被害状況を把握します。
応急危険度判定士
「(Q.これだけ崩れているのを見たことは?)ない。初めてです」
今後、家の調査を受けるという男性。
住人
「廊下は坂になっているし、通るだけで気持ちが悪くなる」
50年以上、住んだ我が家。思いが巡ります。
住人
「複雑よ…。戻らない、戻れない」
■直後に泥水「建物が20センチ移動」
町を襲った液状化。揺れが発生した直後、地面が大きく波打ち、盛り上がります。ゆっくりとした揺れが数分ほど続いた後、濁った泥水が道路を覆い始めました。ゆがみ、変わってしまった道路。
別のカメラでも地震で地面にひび割れができた後、猫が逃げます。その1分後に泥水がジワジワと広がります。
宮前建設 金田稔治さん
「地盤がせり上がってしまったので、建物ごと20センチほど移動してしまった」
急に噴き出した泥水に住民は驚きを隠せない様子。2週間以上経ちますが、町は地震発生時のまま…。
住民
「(Q.この道路をよく使う?)しょっちゅう使う。この辺の住民は金沢方面への勤務が多いから」
内灘町を走る県道162号は住民にとって重要な道路ですが、今回の液状化で路面は波打ち、傾いています。以前の様子と比べると、見通しの良い真っすぐな幹線道路だったことが分かります。
それが今回の液状化で電柱は軒並み傾き、車はひび割れた道路を走りづらそうに進んでいきます。
■ビル沈み「地盤が波打っている」
ガレージに駐車していた車も地面が盛り上がってしまい、車は浮いています。動かすのは困難な状況です。3階建てのビルは1階部分が沈み、エントランスは半分ほどしか見えていません。
“液状化”などに詳しい東京農工大学 石川芳治名誉教授
「家が沈み込んでいる。地盤が柔らかくなって液状化した」
専門家が注目したのはこの映像。地中から噴き出す砂です。
東京農工大学 石川芳治名誉教授
「これが液状化で噴出した砂。緩い」
■内灘町は「ほとんどが砂丘」
液状化した原因にその土地特有の事情がありました。液状化の被害が広がる内灘町。以前から液状化の危険性が指摘されていました。
内灘町によりますと、町のほとんどが砂丘。地図を見ると、日本海に沿って日本三大砂丘の一つ、内灘砂丘が南北約9キロにわたって伸びていて、内側には潟があります。
土砂災害に詳しい東京農工大学の石川芳治名誉教授は…。
東京農工大学 石川芳治名誉教授
「細かい砂は液状化しやすい。砂丘でも低地は液状化になる。緩く傾斜してくぼんでいるので、水が非常にたまりやすい」
役場の人は「砂丘があって、そこに町ができた」としています。
男性の家には砂が…。
住人
「(Q.砂は元々あったもの?)ないよ、コンクリートの土間。中見る?こういう砂なんてなくて、床が持ち上げられている」
「避難しますよ。もう決めましたので。家は住めないですから」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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