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勝利宣言を行った頼氏。
“次期総統”民進党・頼清徳氏:「今夜は台湾の夜、台湾が世界のキーワードになりました。台湾は、世界に向け、民主主義と権威主義との間で、民主主義の側に立った姿を見せました」
市民に聞きました。
運送業(46):「(Q.台湾の人にとって民主主義とは何ですか)これまでの台湾には、中国との融和、つながりがありました。しかし、2つの国は、違う国で、違う世界です。私たちがほしいのは、独立した国、自由な環境です。
銀行員(40):(Q.子どもたちにどんな台湾を残したいですか)まず重要なのは、民主主義。誰もが自分の道を選択できる台湾を残したいです」
多くの支持者が、この結果を“民主主義の勝利”と口をそろえました。ただ、今回の戦い、決して大勝というわけではありません。
民進党は、4年前と比べて260万票近く減少。その大部分が、中道路線の第3勢力として台頭した『民衆党』へ流れたと分析されています。常に2大政党で争われてきた総統選で、第3政党の候補者が、これほど票を伸ばすのは初めてです。
後押ししたのが若者たちの存在です。
さまざまな大学に通う学生たちが暮らす寮を尋ね、率直な質問を投げてみました。
台北教育大学・高敬祈さん(20):「(Q.三つ巴の選挙はよかったですか。それとも今までように2大政党の選挙が望ましいですか)これまでの選挙は、中年の世代の気持ちを重視していて、今回は、候補者が大学での演説に来ていました。各世代の意見を重視していると感じました」
台湾大学・黄郁權さん(18):「自分の考えがしっかりある私たち世代は『この党に投票しなさい』と言われるがまま投票しません。各政党の比較をして良い方を選びます」
今回の選挙でもう1つ重要なのが、国会にあたる立法院選挙の議席状況です。
総統選を制した民進党はおろか、第一野党の国民党も過半数をとるにはいたりませんでした。防衛予算など、さまざまな重要政策を決める議会において、多くの若者が支持した第3勢力が鍵を握る結果となりました。
東呉大学・林敬宣さん(20):「台湾の政局は、新たな局面を迎えました。将来の不確定要素が増えても、多くの選択肢を与えられて、これからは良い方向に向かうと思います」
新たなリーダーを選んだ台湾。中国との関係はどうなっていくのでしょうか。
蔡英文政権の中枢にいた人物に話を聞きました。
姚人多氏。2008年に民進党が下野した際は、蔡英文氏に総統を目指すよう背中を押し、その後、誕生した蔡政権の中枢で政策立案に関わりました。
蔡英文氏の元最側近・姚人多氏:「(Q.新総統になる頼清徳氏に中国との関係について、どういうアドバイスをしますか)難しいですね。“過去の自分を捨てましょう”。今の国際情勢のなかで、台湾がおかれている状況は、彼が20~30年前に政治の世界に入ったときとは違って、台湾の国際情勢における状況で、以前との一番の違いは、中国の台頭と中米関係の変化です」
次の総統に選ばれた頼氏は、かつて自らを「台湾独立の政治工作者」と公言し、中国から「独立分子」として、制裁対象になっています。中国政府が最も警戒する人物です。次期総統が頼氏に決まったことを受け、王毅外相は14日、こう述べました。
中国・王毅外相:「“台湾独立”は、これまでも成功してこなかった。今までもなかったが、もっとあり得ない。“台湾独立”を目指す人は、中国の国土を分裂することとなり、歴史と法に、必ず、厳しく罰せられる」
そんな中国と向き合うために最も重要なのは、局面に応じたバランス感。蔡政権で対中政策でも提言をしてきた姚氏は、そう語ります。
蔡英文氏の元最側近・姚人多氏:「“台湾の人のプライド”。この中でバランスをとることは大切です。蔡総統は、この8年間、対中関係で失言はありませんでした。失言が平和と安定に悪い影響を与えると理解していたからです。頼氏は蔡総統から学べることが多いと思います」
蔡英文氏の元最側近・姚人多氏:「(Q.中国は、頼政権に対して、どのような形で圧力をかけると思いますか)軍事や経済・外交で(圧力が)あると思います。軍事面では、中国軍機が中間線を越える回数は減らないでしょう。政治や外交では、台湾と国交がある国に手を出す可能性がある。とにかく中国の脅威と圧力は、大きくなっていくだけです。局面打開は難しいと思います」
蔡英文氏の元最側近・姚人多氏:「(Q.台湾をまとめていくために新総統は、独立志向を少し弱めて、中国との対話に舵を切らなければいけなくなる。そういうことは予想できませんか)選挙の結果、台湾内部(他の政党と)対話する余地ができたでしょう。私はそのようにポジティブに捉えるべきだと思います。きょうの台湾は、選挙終了翌日とは思えないぐらいの日常に戻りました。これが民主、自由であり、私たちの日常です。私たちは世界に言いたい『この日常を奪わないでほしい』と。私たちは、民主主義と自由を愛し、自分なりに生きるチャンスを大事にしているのです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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