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習近平国家主席は12月31日、新年に向けたテレビ演説で、「中国と台湾の統一は必然だ」と述べたうえで、「台湾海峡両岸の同胞は手を携え、民族復興の偉大な栄光を分かち合うべきだ」とあらためて台湾統一への意志を示していた。「台湾が、どのような政権になっても中国は統一へ動く」。習近平国家主席のブレーンを務め、中国国防大学教授で、上級大佐の劉明福氏は明言する。劉氏は、著書『中国「軍事強国」への夢』の中で、中国による台湾統一のタイミングについて、「我々が武力行使をする上で、最も有利なタイミングを見計らって、開戦しなければならない。台湾独立勢力が礼儀正しく振る舞っていたとしても、我々にとって情勢や時機が有利な状況ならば、我々は断固として武力行使すべきなのだ」と記している。
米中両国の情勢に精通する、シンクタンク「キヤノングローバル戦略研究所」主任研究員でゲストの峯村健司氏は、劉氏の主張を基礎に仮定を設定し、中国が目指す台湾統一のシナリオを予測する。そのシナリオの一つは、11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選を果たし、対中政策への見直しを宣言することを前提とする。そして、米国は、中国に対する貿易の優遇措置を撤廃、台湾に戦闘機やトマホークミサイルを売却するなどの強硬策に出ると仮定する。この場合、中国は新たに「国家統一法」を制定する。同法は「一つの中国を法制化し、中国政府の管轄権を台湾領海や領空に及ぶことを明記する」というものだ。中国は、台湾海峡を含む東シナ海一帯で、「特別重要軍事演習」を2週間実施。そして、「国家統一法」に基づき中国の防空識別圏の拡大を図り、台湾の防空識別圏も吸収する。さらに、中国は、この法律を根拠に、台湾海峡を航行する船舶の臨検を実施し、自国の領土、領海での「法執行」という手段を講じると、峯村氏は分析する。中国による事実上の台湾封鎖となる。そのうえで、中国がもちかける“台湾との話し合い”とは。今後、警戒すべき情勢を展望する。
★ゲスト:峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)、小谷哲男(明海大学教授)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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