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大浦湾側は、すでに土砂が投入されている辺野古側の約3倍の面積です。軟弱地盤の存在が確認されたことから、地盤改良工事が進められることになっています。
林芳正官房長官:「工事完了までの工期を9年3カ月。本日の工事着手が、この起点にあたる」
9年3カ月にも及ぶという“埋め立て工事”。肝心の地盤改良工事に進むまでにも、いくつもの段階を踏むことになります。10日の作業について、専門家は、こう話します。
日本大学土木工学科・鎌尾彰司准教授:「一時的な仮置き場として、基地予定地の近くに場所を作って、(資材の)運搬をしやすくする場所。(Q.これから始まる工事の準備)そうです」
地盤改良の具体的な工法は、こうです。
海底に沈めた長い筒に砂を流し込みながら締め固めることで、砂の杭を造ります。打ち込む海域の広さは約66ヘクタール、砂の杭の数は、約7万1000本にも上ります。
一連の工事と、その後の手続きなどで、移設事業完了は、早くても2030年代半ば以降とされています。
日本大学土木工学科・鎌尾彰司准教授:「これだけ深くの地盤改良が行われるというのは、おそらく我が国では初めての経験。地盤の状況を必ずしも把握できてないような部分もあると思う。工事は延びたり、費用もさらに大きくかかってくる可能性がある」
住宅や学校に囲まれる普天間基地の危険性を除去するとして、辺野古への移設を進めてきた政府。一方、沖縄県の玉城知事は、この計画に反対し、工事に必要な設計変更を承認してきませんでした。
対立が深まるなか、斉藤国土交通大臣が、玉城知事に代わって承認するという、政府にとって“最終手段”ともいえる“代執行”に踏み切ったのが、年末でした。
沖縄県・玉城デニー知事:「本日、工事の着手が強行されたことは、丁寧な説明とは到底真逆の、極めて乱暴粗雑な対応がなされたと申し上げざるを得ません」
政府との対話を求めてきたにもかかわらず、「面会の機会がなかった」と批判しました。
夕方、岸田総理は、こう述べました。
岸田総理:「世界で最も危険といわれる普天間飛行場の固定化。これは絶対に避けなければなりません。これからも丁寧な説明を続けていきたい」
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