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■「祖国のため」ウクライナ選手は…
ジャン・ベレニュク選手
「本来はスポーツと政治を分けたいのですが、でもそれは不可能です」
パリオリンピックに出場するレスリングのジャン・ベレニュク選手です。
東京オリンピックでは金メダルを獲得。ウクライナ代表で唯一の快挙を果たしました。
東京大会を最後に引退を考えていたというベレニュク選手。このわずか半年後…。ロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。国会議員でもあるベレニュク選手は虐殺があったブチャなどを訪れ、市民に支援物資を届けました。
ウクライナでは500カ所以上のスポーツ施設が被害を受け、大勢のアスリートが練習場所を失っています。こうしたアスリートが置かれた現状を議会で訴えてきたベレニュク選手。「オリンピックで祖国の強さを見せたい」と現役生活を続けることを決意しました。
ジャン・ベレニュク選手
「すべてのウクライナ国民にとって非常に厳しい状況です。だからこそ、国のため良い結果を出すことがモチベーションになっています」
こうしたなか、IOC=国際オリンピック委員会は8日、ロシア国籍の選手について「個人で中立」な立場でパリオリンピックへの出場を認めると発表しました。
ジャン・ベレニュク選手
「これは間違った決定です。ロシアは常にスポーツ選手を自分たちのプロパガンダに利用しています。これは偽りの“中立”です」
ロシア選手の出場容認を受けて、ウクライナ政府は大会のボイコットを検討していると報じられています。
しかし、ベレニュク選手は…。
ジャン・ベレニュク選手
「私たちはパリに行って、ロシア軍が犯した罪について話すべきです。パリ五輪ではウクライナの名誉のため、祖国の代表としてベストを尽くします」
オリンピック・パラリンピックの期間中とその前後1週間は世界中のあらゆる紛争の休戦を呼び掛ける決議が国連総会で採択されてきました。しかし、ロシアは何度も破ってきました。
去年の北京大会では、パラリンピック直前にウクライナ侵攻が始まり、ロシア人選手が急きょ大会から除外され、帰国する事態となりました。パリオリンピックについても先月、「休戦決議」が採択されました。
IOC バッハ会長
「我々はこの休戦決議が圧倒的な支持を得たことを温かく歓迎し、非常に感謝している」
ロシアとシリアは投票を棄権。一方、ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルは賛成票を投じました。しかし、一部のイスラエルの選手からは不安の声が上がっています。
1972年のミュンヘンオリンピック。イスラエルの選手ら11人が武装したパレスチナ人組織に人質に取られ、その後、全員が死亡しました。
ガザ地区では死者が2万人を超え、世界各地で反イスラエルのデモが活発になっています。
イスラエルオリンピック委員会は、パリ大会参加に安全上の懸念が生じていると指摘しています。
開会式にはセーヌ川の両岸に観客が集まり、各国の代表選手らが船に乗ってパレードします。しかし、舞台となるパリ市内では2日、観光客ら3人が殺傷される事件が起きました。
フランスのマクロン大統領は万が一に備え、セーヌ川以外で開会式を行う「プランB」の存在を明らかにしました。
大会中はパリ市内に仮設テントを設け、フランス軍およそ5000人を常駐させる厳戒態勢で臨む予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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