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■「自分は何者?」父の面影求め
自分は何者なのか。アカヒジ・サムエルさんはその答えを求めて出身地・沖縄を訪れました。
戦前、フィリピンには多くの日本人が移り住みました。しかし、日米の開戦とともにアメリカ統治下のフィリピンに日本軍が侵攻。日本軍への戦争協力を強いられた在留邦人はフィリピン人から敵とみなされ、漁師をしていたアカヒジさんの父もフィリピンゲリラに殺されました。さらに、子ども達には無国籍という問題が。
戦前の国籍法では父親が日本人の場合は子どもも日本国籍になりました。しかし、父が亡くなったため手続きができず、日本人残留2世の多くは無国籍状態になりました。
渡航の自由もなく、仕事も限られ貧困のなかフィリピンの離島で隠れるように生きてきたといいます。
■国籍回復目指し “赤比地”家へ
今年10月、アカヒジさんは国籍回復に向けて父に関する情報提供を呼び掛けました。
すると、父の出身地・沖縄で「赤比地」姓にルーツを持つ人々が名乗り出ました。
戦前、赤比地勲という人物がフィリピンにわたり、漁師をしていた記録が見つかりました。さらに、アカヒジさんの母の名前はクレミンティナ。名前もほぼ一致します。今回の調査で勲さんがアカヒジさんの父の可能性が高まりました。
赤比地勲さんのおい 香村幸男さん
「夢にも思わなかった。フィリピンから便りがきて“赤比地”と分かった。会ってみたいですね」
■「温かく迎え入れてくれうれしい」
この日、向かったのは赤比地家の墓。勲さんもまつられています。
赤比地勲さんの義妹
「(勲さんの弟は)『フィリピンに行って兄さんに会いたかった』といつも話していた」
アカヒジ・サムエルさん
「沖縄に来るまでは本当の家族かどうか私たちを受け入れてくれるか心配だった。でも皆、温かく迎えてくれてうれしかった」
父とのつながりを見つけたアカヒジさん。
一方で、戦後78年経った今もフィリピンには日本にルーツを持つ無国籍者が493人残されています。平均年齢は80歳を超え、残された時間は多くはありません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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