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一度に25人も海外から移送されてくるのは前代未聞です。機内で全員、詐欺と詐欺未遂の疑いで逮捕されたとみられます。20歳~42歳の男たち。年齢に幅がありますが、大半は20代でした。
そもそも身柄の確保から、一筋縄ではいきませんでした。今年9月、現地当局に踏み込まれ、散り散りに逃走する姿を防犯カメラが捉えていました。
25人は、今年3月以降、カンボジアに入国していました。
いまも3人が逃走中です。問題は、そのうちの1人が主犯格とみられること。3人を運んだトゥクトゥクの運転手は、こう話します。
3人を乗せたトゥクトゥク運転手:「彼らからは料金をもらえなかった。たばことネックレスをもらったが、大したものじゃない。あげようか」
最後に3人の姿が確認されたのは、プノンペンから400キロ離れたポイペトにあるカジノでした。カンボジア当局は、第三者の助けを借りて移動し、すでに隣国のタイに逃げ込んだとみています。
特殊詐欺グループは、アパートを丸ごと1棟、借り切って、拠点にしていました。数十台のスマホが押収されましたが、その多くが、破壊されたあとでした。バスタブから見つかった大量のメモも、水で溶ける紙に書かれていたといいます。
グループによる被害は、8道府県で9人、確認されていて、なかには1000万円以上、だまし取られた人もいます。被害総額は、数億円になるとみられます。その手口は『入居権詐欺』と呼ばれるものでした。
詐欺グループの男から「介護施設の入居権が当たりました」と電話があります。「入居の予定がない」と電話を切っても、別の男から「入居予定がないとしたら、名義貸しじゃないですか。名義貸しは犯罪ですよ。お金を払った事実をつくる必要があります」などと言われます。その後も、入れ替わり立ち代わり電話があります。介護施設の運営社員、施設の職員、顧問弁護士や金融庁の職員と身分を偽って、4人で役割分担をしていました。
今回のグループではありませんが、入居権詐欺の実際のやりとりの録音です。犯罪に加担したとして、恐怖をあおる手口が似通っています。
女性:「名義お借りしますと、あんたが私に聞いた?」
詐欺グループの男:「はい、聞きました。しっかりと、その時にね。さすがに私も勝手にお名前、使うことはできないので」
女性:「名義貸しで困るのは、あんたやろ」
詐欺グループの男:「これね、貸してしまった側も罪になっちゃう」
女性:「ほんなら困るから、早く、手続きしたいわ」
すると、介護施設の運営社員を語る別の男からも電話があります。
詐欺グループの男:「私も早く終わらせたいので。会社に隠して、こそこそやってるので」
女性:「こそこそ会社にせないかん仕事か、これ」
詐欺グループの男:「いいですよ、そういうことをおっしゃるのであれば、私の方で、手に負えないってことで、顧問弁護士の対応案件にしてもらって、@@さんが関わっていることであれば、裁判になると思うので。逮捕されて、収監されることになってもいいんですね。そうなりますよって話したじゃないですか、さっきも」
女性:「逮捕されて、収監…」
その後、女性は警察に相談したことで、お金をだまし取られることはありませんでした。
別の入居権詐欺で、実際にだまされた女性。現金約5900万円を奪われました。亡くなった夫と、老後のために貯めていた資産をほとんど失いました。
別の入居権詐欺事件の被害者:「不安というよりも信じちゃった。疑わなかった、その言葉を。それが一番の原因だと思う。(夫の)写真を見て、毎日、謝ってます、ごめんね、ごめんねって。あなたが残してくれたお金を、全部、私の好きに使ったのではなくて、取られてしまって、ごめんねと。毎日、謝っています」
入居権詐欺の相談件数は、2014年度をピークに減少傾向にありましたが、再び、急増しています。
今回、逮捕された25人は、いわば、使われていた立場。警察は、詐欺グループに暴力団が関わっている可能性もあるとみています。
25人が到着したら、埼玉県内の複数の警察署に移送して、組織の実態解明を進める方針です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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