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ダム干上がり…貯水率「0%」“幻の橋”出現も 西日本で“深刻渇水”(2023年11月9日)

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愛媛県のダムは9日現在、貯水率が0%と危機的状況になっています。実は今、西日本を中心に「水不足」が深刻化しています。

■ダム底カラカラ「まるで砂場」

 今、西日本は乾ききっています。湖底を歩けるようになった愛媛県のダム。貯水率は0%です。

 番組が向かったのは、愛媛県大洲市の鹿野川ダムです。目の前に広がっていたのは、私たちがダムと聞いて想像する光景とはかけ離れたものでした。このダムは今月に入り、貯水率が0%が続いています。例年だと今の時期、40%ほどの貯水率になっているといいます。

■ダムが干上がり“幻の橋”出現

 特別に許可をもらってダムの底まで行ってみると、小さな川のそばを歩いているような気分です。ダムの底だったということは到底思えないです。砂のような渇き具合で、かなりサラサラしています。本来であれば立てないような場所。いくつものひびが確認できます。ダムの底に沈む橋もありました。橋の欄干には大きな流木なども絡み付いています。

 この異常事態の原因は記録的な雨の少なさです。大洲の先月の雨量は21ミリ、平年の6分の1ほどしか雨が降りませんでした。これは10月の観測史上最も少ない雨量です。

 肱川ダム統合管理事務所 南本秀行副所長:「例年9月10月、四国地方は台風が襲来する地域だが、(今年は)その雨がなかった。台風に備え『洪水調節』をするために(事前にダムの)水位を下げるが、その後の降雨はなかなか予測できない」

 周囲の川の水位を調整する役割を担う鹿野川ダム。このまま雨が降らないと、日常生活への影響も懸念されるといいます。

 肱川ダム統合管理事務所 南本秀行副所長:「ダムからの水の量が少ないということで、下流の河川環境だったり取水をしている所もある。市民の生活に影響が出る可能性もあるので現在、関係機関で定期的にその影響がどの程度あるか調査をしている」

 水が足りないのはこのダムだけではありません。山口県や京都府など西日本を中心に広い地域で「取水制限」などが始まっています。やはり、これまで雨が少なく、ダムの貯水率が低下しているためです。

■サトイモピンチ「葉も枯れた」

 大洲市の農家は大きな被害を受けていました。

 サトイモ農家 竹岡宏晃さん:「(Q.葉も茎も枯れてしまっているものが多い。去年の11月は?)去年の11月は今年で言ったらコレだ。こんなのが全面に残っていないといけない」

 まさに今、出荷シーズンを迎えているサトイモ畑。しかし、“実りの秋”とはほど遠い光景です。土の中のサトイモはもっと深刻です。

 サトイモ農家 竹岡宏晃さん:「小さいでしょ。もっと大きくならないと…これくらい。ピンポン球ぐらいにはならないと。これはポイッしないといけない」

 今年はほとんどが例年の半分までしか育ちませんでした。売り上げも3割以上、減る見込みです。

 サトイモ農家 竹岡宏晃さん:「降ったってちょぽっと。焼け石に水ぐらいしか降らない。もう大概に…降ってもらわないと困る」

■ブロッコリーもピンチ 農家に不安

 雨が降らないことで、ブロッコリーを育てている農家でも生育に問題が。   

 JA愛媛たいき 野菜生産出荷協議会 二宮聖さん:「こんなにまばらになるとは思わなかった」

 農業だけではなく日常生活にも支障が出ることに不安を抱いていました。

 JA愛媛たいき 野菜生産出荷協議会 二宮聖さん:「この大洲でも節水しないといけない。シャワーもずっと出しっぱなしで洗っていたんですけど、それをちょこちょこ止めるように心掛けています。やっぱり水って本当に大切。改めて実感しました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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