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クマ駆除に抗議電話30件…女性を直撃「人の責任だ」秋田知事「感情論多い」【詳細版】【もっと知りたい!】(2023年11月9日)

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クマを駆除した行政などに対して、「殺すな」と抗議の電話が殺到しています。行政に30件電話を掛けたという人物が取材に応じました。

■抗議した女性「悪者じゃない」「人の責任」

 自治体に抗議した女性:「当たり前のように馬鹿みたいに(クマが)来たら殺す。それしかできないのっておかしい。みんな野生の生き物って、癒やしてるわけじゃない。クマは怖い汚い恐ろしいというイメージを植え付けられている。悪者じゃないよ、そう思わない?」

 「人間がクマのテリトリーを侵している」とテレビ朝日に意見を寄せたのは、北海道や秋田など複数の自治体にクマの駆除について抗議の電話を掛けたという女性です。今回、番組は直接話を聞きました。

 自治体に抗議した女性:「もう数え切れないです、(抗議電話は)30件くらい」

 過去最多を更新し続ける、クマによる人身被害。8日、秋田県では今年66人目となる負傷者を出し、岩手県八幡平市では男性が顔などをクマに引っかかれる被害がありました。

 同じ八幡平市ではこんな事故も起きています。クマが飛び出したのは、夜の「高速道路」。冒頭の女性はこう憤ります。

 自治体に抗議した女性:「もともと人の責任でしょ。高速道路造ってゴルフ場やリゾートで山を削ったので、とにかく自然を破壊して今に至っているわけですよね。結局、人が手を加えてそういうことをしているから、野生の生き物の生きる場所がなくなっているんですよ」

■クマとは関係ない“憂さ晴らし”電話も

 日々、抗議電話の対応にあたる、北海道のある自治体の職員はこう話します。

 クマを駆除した自治体の担当者:「クマを駆除した時は、数十件電話が来ることもあります。『他に駆除以外に方法はなかったのか』。苦情入れながら、感極まって泣きながら話す人も結構いる。よっぽどクマが可愛いんだと思う」

 秋田県の自治体には、もはやクマとは関係ない憂さ晴らしのような電話が掛かってきていました。

 男性:「納得できない、クマを殺す必要はなかったんじゃないか」
 担当:「人身被害の危険もあるので、自治体としてはその対応しかなかったんです」
 男性:「税金泥棒」「役場を辞めろ」
 担当:「役場を辞めることはできません」
 男性:「クマと一緒に死ね」

 自治体の担当者によると、1時間以上にわたって怒りをぶつけられたこともあるといいます。

■「抗議電話30件した」女性 取材の最後に…

 実際に自治体に抗議した女性は、こうした過度なクレーム内容について、次のように主張します。

 自治体に抗議した女性:「(Q.かなりの暴言をいう人もいるが?)私はそんな攻撃的な、そこまでは私はしないです。それは逆に無駄な抗議という気がします。(周りに)そういう過激な人はいます」

 女性によると、過激なクレームを入れる人の中には、自分の名前は決して名乗らず、担当者の名前を聞いて、電話攻撃をするのがよいと話す人がいたといいます。

 武隈光希アナウンサー:「何か指示をしてくる人も中にはいらっしゃる?」
 自治体に抗議した女性:「電話しなさいって言われても、自分でニュースを聞かないと。自分が本当に納得して、おかしいなとか、これは何でと自分で思った時、自分の意思で電話してますよ」

 武隈アナ:「どういうふうにしてほしいとお伝えしたのでしょうか」
 自治体に抗議した女性:「親子のクマは山に戻してほしいと。麻酔銃でおりに入れたら静かにしている。その間に運んで、山に帰してほしいって言いましたよ」

 武隈アナ:「自治体にはどれくらいの数電話した?」
 自治体に抗議した女性:「あちこち数え切れないですね。30件はしてますね」

 武隈アナ:「自治体によると死者出ているが?」
 自治体に抗議した女性:「そうですね、急に襲われるということも恐ろしいけどね。番犬、だいたい番犬。山に近い所にお住まいの方って、番犬飼っておけば犬が騒ぐと分かるじゃない」

 武隈アナ:「クレームが殺到して、自治体も困っているという話についてはいかがですか」
 自治体に抗議した女性:「逆に電話したくないです。本当に。今年はこうして諦めるしかないんだなって。山を管理する人たちが、色々対策考えなくちゃいけないと思うんですよ。環境省が役所の環境、農林課とかいろいろ。だから、もっと一生懸命、頑張って」「クマは母親一人で子育てするわけ。若い母親だったらどこに行っていいか分からなくて、やっとの思いで餌(えさ)を探しているところを見つかって殺されて。想像すると、本当涙出ないの、あなた。やっとの思いで生きているのに、人の手で殺されて」

 クマの駆除など「ありえない」と話す女性ですが、インタビューの最後にはこう話しました。

 自治体に抗議した女性:「そう言いながらも、私は実際のところ、都市部に住んでるから、農村部に住んでクマの被害におびえている人の気持ち、分からないところもあるから、なんか自分でも微妙」

■1500件近くクレーム 秋田知事「業務妨害」

 秋田県などの自治体は、「クマが出没した町内に住む人からの苦情は一切来ていない」と説明しています。これがクマの出没地域で生きる人たちの実情です。

 秋田県 佐竹敬久知事(75):「仕事ができません。これ業務妨害です。最初から(強く)こられたら、これは『ガチャン』です」

 秋田県の佐竹知事はクマの駆除に関する“悪質なクレーム”に対し、怒りをあらわにしてきました。

 佐竹知事:「感情論が非常に多いものですから。国がクマのいないような地域に対し、理解を得るような行動をとっていただければいいなと思っています」

 秋田県内の自治体では、1500件近くのクレームが殺到しているといいます。

■専門家「うっぷん晴らし」「公務員を標的」

 専門家は、クレーム電話を掛ける人の中には、クマの駆除への抗議だけが目的ではない人物もいると推測します。

 犯罪心理学者 東京未来大学 出口保行教授:「社会全体に不満を持っている人たちが、『クマの駆除』という出来事を利用しつつ、うっぷん晴らしのようなものをしている。自分の匿名性は担保されていると思ってる人が多いと思う。こういうことがかえって、攻撃性をさらに刺激している。公務員は市民国民のために働くのが当然の職務になるわけですから、こういう場合は標的になりやすいと言える」

(「グッド!モーニング」2023年11月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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