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7日に会見を開いた旧統一教会の“狙い”は、何なのでしょうか？
旧統一教会の被害者救済に長年取り組んでいる、紀藤正樹弁護士に聞きます。
■紀藤弁護士「残念な会見であったと思っています」
会見では、田中富広会長から「心からおわびいたします」と、“おわび”の言葉も出ました。紀藤弁護士は、この“おわび”をどう受け止めましたか？
紀藤弁護士：「残念な会見であったと思っています。被害者に対する思い、被害者が存在している認識を欠いたままの会見でした。謝罪会見というのであれば、加害者性の認識を自分たちでもったうえで、どのくらいの被害額があって、どのぐらいの被害者が出るということが前提にないと、単なる反論会見になってしまいます。そういう意味では、被害者に対する思いが伝わらない会見だったと思っています。一種の反論会見のように聞こえました」
■資産の海外移転「心配は全くない」…発言の意図は？
解散命令が請求されたあと、先月20日には臨時国会が始まり、教団の財産が海外などに流出しないようにするための「財産保全」についての議論も進んでいました。
そんななか、財産の流出について会見のなかで「今後始まる解散命令の裁判が確定する前に、資産を海外移転させる心配は全くない」と説明がありました。この発言の意図は、どこにあるのでしょうか？
紀藤弁護士：「送金はしないということは言えるんですが、実際には献金を直接、信者個人が持っていく『信者の個人現金持ち出し』があります。9月から再開しているという話も、会見の中で出てきていました。そうすると、1人が100万円以内であれば、届け出をしなくても関税法違反にならない個人の現金の持ち出しということなので。それが韓国に流れることについて、何ら手だてがないんですね。それについて会見で質問が出ていましたけれども、そういう意味では『資産を海外へ移転させる心配は全くない』と言っても、送金のことを言っているだけで、現金持ち出しのことまでは触れていませんでした。被害者の立場から見ると、海外に資産を移転させないためには、今、現役でいらっしゃる信者の方々も現金を日本から持ち出さないでいただきたいと思ってます」
信者の方も万単位でいるわけですから、お金もかなり大きく動くということですね。
紀藤弁護士：「100万円×1万人で100億円動くという計算になります。アクティブな信者だけでも5万人いるといわれています。そういう意味では、信者の現金持ち出しについても、きちっと会長が触れていただかないと。被害者に返すべき財産が、海外に移転してしまう可能性は十分にあると思います」
■なぜ…国へ「供託金」提案？
国への「供託金」へという提案がありました。60億円から100憶円を現金で準備をしているといいます。なぜ、このタイミングでこうした提案をしたのでしょうか？
紀藤弁護士：「国会が先月20日から始まって、野党からは保全に関する法案が提出されています。日本維新の会、立憲民主党からも提案されています。与党もチームをつくって今、議員立法という形で法案準備中です。私も含め、全国統一教会被害対策弁護団の弁護団員も呼ばれ、11月2日に議論をしたところです。来週には、何らかの与党案を出してくる可能性があります。それに対する、いわば歯止めとして、『自分たちが、これだけ努力してますよ』ということ。1つは与党案を牽制（けんせい）する意味があるのだと思います。もう一つは、野党も含めて今、世論が統一教会に対する批判をしている関係で、そういうものを沈静化させるという意図が、この時期あったんだろうと思っています」
■今回の会見…「解散命令」に影響は？
最後の質問です。今回の会見が「解散命令」に影響することはあるのでしょうか？
紀藤弁護士：「解散命令請求というのは裁判の手続きなので、今回の会見が大きく影響を与える可能性はほとんどないと思います。そうは言っても、被害者の救済という観点から見ると、50億円、100億円では全然足りないと思っていまして。やはり1000億円以上の被害者が潜在的にいらっしゃるんじゃないかと我々は考えていますので、50億円、100億円という金額では到底納得できません。被害者から見ると、浮かばれない金額だと思います」
（スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年11月7日放送）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp
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