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5日、東京・新宿区の歌舞伎町で、ホストの男性が客とみられる女性に路上で刺される事件がありました。一部の女性は、なぜホストクラブの男性に大金を貢いでしまうのでしょうか。番組はホストが女性を虜(とりこ)にするためのマニュアルを入手しました。
■刺された男性を介抱した女性が振り返る
逮捕された女(20代):「私の人生をぶち壊したのに、またぶち壊そうとした」
警察官に、男性をカッターナイフで刺した理由を訴える女。傍らには、肩を刺され、路上に倒れた男性の姿がありました。
通報者:「けが人が1人です。意識はあります。意識はあるんだけど、だいぶ息が荒いですね。傷口を押さえている方がいます」
警視庁によりますと、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは客とみられる女で、被害者の男性はホストクラブの店員であることが新たに分かりました。捜査関係者によりますと、2人は過去に交際していたということです。
警察官:「刺した瞬間、見た人いる?誰か見てる人いますか?」
逮捕された女:「死ね、クソガキが。お前、人のことぶっ壊してな。なめてんなよ、こら。ふざけんなって。私は入院代も1円も請求してない。ここ半年間、私ずっと入院生活してた」
警察官:「あなたが刺したの?」
逮捕された女:「刺したの、こいつを」
警察官:「何時ごろ。あなたが刺したのは?」
逮捕された女:「20分前」
番組は、映像の中で刺された男性を介抱していた女性に話を聞くことができました。
男性を介抱した女性:「寝っ転がって血まみれになって、女の人がそれでも殴っていたので、どんだけ血を流してても、その人に対して殴ってました。血が首から出てたんで血を止めなきゃと思って、自分の着ていた服を脱いで、その服で血を止めていました」
たまたま現場に居合わせたため、けがをした見ず知らずの男性を必死に介抱した女性。その横には、怒りに任せて叫ぶ容疑者の姿がありました。
逮捕された女:「私より若いでしょ。お前、人生なめるなよ。私のお金、搾り取る気でふざけるな、お前。人のことぶっ壊して、なめんなよ、こら」
男性を介抱した女性:「女の人がホストの方に1800万円を半年で貢いだ。男の人も女の人に対してDVとかいっぱいしたらしくて、その女の人が肋骨(ろっこつ)折られたとか、過去にはそういうこともあったらしくて」
■「地雷をおく」研修ノートの中身とは?
ホストクラブの男性と客とみられる女との間に起きた今回の事件。ホストは、どのようにして女性客を虜にするのでしょうか。
青少年を守る父母の連絡協議会・玄秀盛さんは「恋愛商法といったら簡単だが、マインドコントロール商法です。女性のさびしさ、心の隙間を狙う」と話します。玄さんは「ホストにはまる娘を救いたい」と願う親のための駆け込み寺を立ち上げました。
玄さんは、半年前にホストの間で使われている研修教材とも言えるノートを入手。大手ホストクラブのナンバー1ホストが語ったという指南書で、女性を虜にするためのテクニックがノート4ページ分にわたって書かれていたといいます。
“研修ノート”には「女性は彼氏や旦那程度の男にはお金を出さない」「日常レベルでは女性はお金を出さない。非日常的演出にお金を出す」などと記されています。書き出しは、「ホストはどんな存在であるべきか」という問いから始まっていました。
玄さん:「『愛を売る仕事で癒やしている』と、店内は光と音で、音も大きいし光もまばゆくキラキラしている中で、カクテルなどを飲んでいたらいい気持ちになってくる。そこから耳でささやく、手を握るとか、女性のいいところを褒めたりしながら、虜にしていく」
ホストとは「金を払ってでも関係を作りたいと思える存在」と定義。実際、歌舞伎町のホストからは次のような声が聞かれました。
ホスト歴1年半:「そういう世界かなと僕は思います。女の子は来てくれる大事なお客様、お姫様なので」
研修ノートには、「地雷をおく」と女性の心理を利用する具体的なやり方も書かれていたそうです。
玄さん:「『他の店に行くのって好きじゃないんだよね』とささやいたり、『逃げるってずるいよね』というふうに絶えず吹き込む。他店に行かないように吹き込む。周りのヘルプの人もこそっとささやく。『君のためにがんばってるんだよ』と」
こうした言葉を女性客に普段から吹き込むことで、金づるとしてつなぎとめておくことを「地雷をおく」と呼んでいるといいます。
そして、何よりも女性を抜け出しにくくしていると玄さんが指摘するのは、飲食代などの代金をホストが一時的に立て替え、女性に後払いさせる「売り掛け」という店のシステムです。
玄さん:「肩代わりしていることで、女性の心をくすぐる。私のために、こうして頂いている。この男とはなかなか縁を切れない。そういうパターンが続いている」
■「ホストへの依存」女性たちが明かす理由
6日、番組のインタビューに応じてくれた2人の20代女性は、歌舞伎町のホストクラブで一日に1000万円を使うこともあるといいます。
ホストクラブに通う女性(20代):「お金が絡んでくる街だから、私も一回お金でトラブったことがあるので」「現にトラブってる。刺された人もお金に絡んでるから似てるところはあるなって。もめることは日常茶飯事だよね」
金銭を巡って、ホストとトラブルになったことがあるという女性たち。そうしたことがあっても、ホストクラブ通いをやめない理由は「ホストへの依存にある」と話します。
ホストクラブに通う女性:「(ホストが女性に)お金を使わせるにあたっての管理の仕方。色んな営業方法がある世界なので、それが(女性を)暴力で管理してる人(ホスト)もいればっていう。自分ももしかしたら事件に巻き込まれるかもと思うと、ちょっと怖い」
玄さんは悪質なホストによる女性の被害者をなくすため、「売り掛け金を禁止する条例を作るべきだ」と指摘します。
玄さん:「酒の飲み慣れない子を言葉巧みに釣りあげて、恋心持たせて、その気にさせて。四六時中、声掛けさせて。それだけで済まずに、売掛金という部分で借金を作らす。その子の人生も奪い取る。これはだまされる方が悪いのではなく、だます方が圧倒的に悪い」
(「グッド!モーニング」2023年11月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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