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クマの被害が全国で相次いでいます。秋田県では「12頭のクマが一度に目撃された」と報道があり、専門家も驚く異常事態となっています。一方、番組の取材で、こうしたクマの冬眠が遅くなっている可能性があることも分かりました。
■クマによる人的被害「過去最悪のペース」
9月23日、北海道の知床半島にある海岸の岩場で巨大な黒い生き物が辺りを見回すように歩いています。実はこの生き物、胴体がガリガリに痩せこけたヒグマです。餌(えさ)がなくなり、山から下りてきたのでしょうか。
近年、市街地に出没するクマが急増。いわゆる「アーバンベア」の被害が、全国で相次いでいます。
環境省によると、今年のクマによる人的被害は4月から10月で180人確認されました。これまで最多だった2020年度の158人をわずか半年で上回る過去最悪のペースです。
4日、栃木県でも、犬の散歩中だった女性が背後からクマに襲われました。両肩あたりをひっかかれましたが、幸い大きなけがはありませんでした。
町によりますと、クマは体長1メートル未満で、女性を襲った後、竹林とは反対側の茂みに逃げていったといいます。
■自動ドアから手動ドアへ…変更した旅館も
専門家は、肩から上を狙ってくるのがクマの特徴だと話します。
東京農業大学 森林総合科学科 山崎晃司教授:「動物の急所は目とか頭部にあるので、(クマは)そこを襲い掛かってくる。相手を倒して、自分の逃げ道を作る防御的な攻撃」
全国最多となる65人の被害者が出ている秋田県。地元紙では、「この週末、一度に12頭前後のクマが目撃された」と報じられました。
山崎教授:「餌がそこにたくさんあって、餌場にクマが集まって、数頭になることはある。通常そんなに大きい集団にはなり得ない」
こうしたなか、同じ県内にある旅館では、今年からクマが旅館の中に入り込まないように、自動ドアを手動ドアに変更しました。
旅館ゆぽぽ 田口俊光支配人:「現在、自動ドアを手動に切り替えています。お客様自身に開けてもらって入館してもらいます」「ホテルから約200メートル離れた場所にクマ用のおりを仕掛けていたが、そこにも捕獲されていたので、本当に危険を感じている。去年までは1年に1回あるかないかだったが、今年はもう先月だけで10回くらい目撃情報がある。もう毎日、クマの話になっている」
■「餌不足以外の要因」専門家が指摘も
クマは一般的に11月~12月には冬眠に入ります。しかし、専門家は次のように話します。
山崎教授:「人家周辺の柿の木とか今食べ始めている。(柿に)依存してしまうと、栄養がとれるので。山に木の実がなくても、冬眠入りが遅くなる可能性もある。毎年、起こりうること」
さらに、専門家は「今年は餌不足とは関係のないクマの出没があるのでは」と指摘します。
山崎教授:「東北では相当の数を捕獲していて、その中には相当の数のお母さんグマが入っている。(単独で)子グマが徘徊(はいかい)するので、そういう子グマは食べ物の量とは関係なくて、これから冬にかけて、いろいろな所でウロウロする」
(「グッド!モーニング」2023年11月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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