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ガザ地区ほぼ全域で通信遮断 イスラエルが最大規模の空爆(2023年10月28日)

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■ガザ地区に最大規模の空爆 ほぼ全域で通信遮断

パレスチナ・ガザ地区への地上侵攻がすでに始まっているかのような激しさです。イスラエル軍は、27日夜に、地中海からガザ地区を攻撃した様子を新たに公開。上陸して、発砲する様子も確認できます。

イスラエル軍 ハガリ主席報道官
「我々がここ数日行った攻撃に加えて、地上部隊が活動を拡大している」

ガザ地区での地上作戦は、これで3日連続となりました。さらに、イスラエル軍は、これまでで最大規模となる空爆も行ったと発表。約150か所の地下施設に対して攻撃を行い、戦闘機の映像まで公開。今回の作戦だけで、約100機が参加したといいます。

「地上侵攻が始まったのか?」イスラエル軍は記者から問われると、「詳細は説明できない」と明言を避けました。その上で、「ハマスが二度とガザ地区を我々への攻撃拠点として使えないようにするつもりだ」と述べています。

今回の攻撃を受け、パレスチナの通信会社は、「ガザ全域のインターネットと電話網が完全に遮断された」と発表しました。現地で医療活動を行う団体からは、「救急電話が使えず、負傷者のもとに救急車が駆けつけることが難しくなっている」との声があがっています。

一方、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスも、ロケット弾を昼夜問わずに次々と発射。さらにハマスは、ドローン部隊の映像を公開しました。すると、その直後、今度はイスラエル軍が、そのドローン部隊の指揮官を殺害したとする映像を公開。情報戦の様相も呈する中、再び双方で大きな食い違いをみせているのが、「病院」をめぐる主張です。

イスラエル軍 ハガリ主席報道官
「ハマスは病院から戦争を仕掛けてきます。ハマスはイスラエル人や一般市民の命を危険にさらすだけではなく、罪のないガザの一般市民を人間の盾として利用しています」

イスラエル軍は、ガザ地区最大の病院「シファ病院」の地下にハマスの主要拠点があると指摘。一方、ハマスは、「虚偽の主張であり、我々は断固否定する」との声明を出しています。

■暗闇で手術 携帯電話の明かりで…

盾とされる病院では医療崩壊が始まっています。救急車が、明かりの消えた病院に到着。携帯電話の明かりを頼りに救急活動をしています。こちらの病院では、暗がりの中で手術をしています。

ガザの病院の医師
「携帯の電気だけで手術をしています」

電気などのライフラインが止められておよそ3週間。支援物資の搬入が始まりましたが、燃料はハマスに渡ることを警戒され含まれていません。電力が残り少ないなか、今の危機を訴えたいと、現地で支援活動を続ける男性が取材に応じてくれました。

パレスチナ赤新月社 ライド・エルネムスさん
「燃料が入ってこないため、ガザにある12の病院と32の医療施設が、医療行為を停止しました。患者は病床は埋まったままで、他の患者は廊下にいる状態」

受け入れ先もなく患者は動かせないといいます。病院内は患者だけではありません。

パレスチナ赤新月社 ライド・エルネムスさん
「病院には避難している住民もたくさんいます。患者ではなく病院に避難している住民です。この病院だけで1万2000人います。しかし必要な物資の5%もない状態です」。

数日前、病院の近くで大きな爆発が起きました。

パレスチナ赤新月社 ライド・エルネムスさん
「爆発で病院を追われ、学校の避難所に行く人もいますが、160の学校が攻撃を受け、19の学校が破壊されました」

ガザに逃げ場はありません。ガザの保健当局は26日、イスラエル軍の空爆などで死亡し、身元が確認されたおよそ6800人の名前などを公表しました。名前の横には年齢が記されています。10代の子どもや乳幼児の多さに愕然とします。

パレスチナ赤新月社 ライド・エルネムスさん
「ガザ地区で亡くなった人は6500人。そのうち3000人は子供です。半分は子供です」

■国連「人道的休戦」決議を採択も…

パレスチナで70年以上支援活動を続けている国連機関の担当者は、「支援が人々に届かないガザの現状を世界に知ってほしい」といいます。

国連機関「UNRWA」 タマラ・アルリファイさん
「すでに57人の同僚を失いました。彼らの中には援助物資を配っている最中に殺された者もいました。停戦を可能にするには、国際人道法を重んじる各国政府の支援が不可欠です。そして一刻も早く、安全な人道的回廊の開通を支援し、攻撃を受ける危険を冒さずに、より多くのトラックが毎日ガザに入れるようにする必要があります」。

こうしたなか国連総会は27日、緊急特別会合を開き、「人道的休戦」を求める決議案を採択しました。採決では、アラブ諸国など121か国が賛成する一方、ハマスを名指して非難していないことなどを問題視したアメリカやイスラエルなど14か国が反対、日本など44か国が棄権しました。決議に法的拘束力はありません。

イスラエル エルダン国連大使
「ガザで人道危機は起きていません。なぜ子供を意図的に殺害し、赤ん坊を誘拐したテロリスト(ハマス)を守っているのですか?イスラエルは自分たちを守り続けます」

パレスチナ マンスール国連大使
「圧倒的多数で即時の人道的休戦への支持を表明してくれました。殺害、心的外傷、テロや破壊を終わらせることで、私たちは一つになりました」

周辺では連日デモがおきています。パレスチナ系の住民が7割近くを占めるヨルダンでは、「反イスラエルデモ」におよそ1万人が集まりました。ガザの死者は、7000人を超えています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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