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せき止めなどの“薬不足”が深刻化しています。今、何が起きているのでしょうか?社会部・厚生労働省担当の岩崎文生記者に聞きます。
■“需要と供給のバランス”が崩れて薬不足に
ずばり、なぜ今「薬」が足りないのでしょうか?
これには、季節外れのインフルエンザの流行に加え、「ジェネリック」=後発医薬品が関係しています。
「ジェネリック」は大手製薬メーカーの特許が切れた後に、他のメーカーが造った同様の効果を持つ薬のことです。
実は今、日本の薬の8割が「ジェネリック」となっていますが、ここ数年「ジェネリック医薬品メーカー」の“不祥事”が相次いでいます。
2020年、ジェネリック医薬品を製造する「小林化工」が、水虫薬に誤って睡眠導入剤を混入させる事案が発生しました。それ以降、国が立ち入り検査を強化したところ、小林化工を含めて15件の不正が発覚し、製造停止が相次ぎました。
これで供給不足になり、そこに新型コロナやインフルエンザの流行で需要が高まったことから“需要と供給のバランス”が崩れ、薬が手に入らない事態になっています。
■ジェネリックの増産は難しい…今後も不足続くか
それでは他のメーカーが増産するなど、供給不足をカバーする方法はないのでしょうか?
それが実は、構造的な問題があり難しいんです。というのも、ジェネリック医薬品は、先発品に比べ、開発に費用や時間がかからないことから、販売するのにも安く売る決まりがあります。
国としても、国の医療費の抑制につなげたい狙いがあり、「ジェネリック」の促進を進めていました。
一方で、メーカーからすれば、安く販売しなければならない分、限られた設備でたくさんの種類の薬を生産しています。そのため生産体制に余裕がなく、急な増産に対応することができません。
つまり、あるメーカーが製造できなくなったから、他のメーカーで代わりに製造してほしいと言われも急には対応できない、という構造的な問題があります。
解消するためには、製造ラインの増設やジェネリック医薬品の価格を上げるなどの必要が出てきますが、それも難しい状態です。
なので、今まさに“薬不足”解消に向けて厚労省が議論を進めています。
しかし、解消の見通しは今も見えていないのが現状で、“薬不足”はしばらく続く可能性があります。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年10月27日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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