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所信表明で「経済」連呼“所得税減税”期待度は?物価高で人気『10円まつり』で聞く(2023年10月23日)

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岸田総理は23日、臨時国会で信表明演説を行いました。

「何よりも経済に重点を置く」。演説では、実に29回、“経済”という言葉を使いました。
岸田総理:「30年ぶりに新たな“経済”ステージに移行できる大きなチャンスがめぐってきました。コロナ禍での苦しかった3年間を乗り越え、“経済”状況は改善しつつあります」

経済対策として、電気代やガス代などの負担軽減策を来年春まで続けることや、低所得者世帯への給付に使う交付金の拡大を表明しました。

岸田総理:「税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元し、物価高による国民のご負担を緩和いたします」

“所得税減税”の検討を進める考えを強調。一定額を1年限り減税するという案が浮上しています。

止まらない物価高。東京都足立区の『スーパーさんよう』では、月に2回、『10円まつり』を開催。物価高の今だからこそ、安さを求めて、客が増えているといいます。

所得税減税について聞きました。
買い物客(67):「所得税が少ないので、実感がない。消費税の方がやっぱり、そういうことを感じます」

23日、2度『10円祭り』に参加した女性は、大量の商品を手に入れました。
パート勤務(84):「(値段が)みな上がってる。何でも。だから、何とかならないかなと、いつも感じますね。(望む政策は)買い物してて、『安くなったな』と。それが一番わかりやすいですよね。だから、品物に税金がかかんない方がいいけど」

子育て世代にも聞きました。
育休中(30代):「給付金の方が、コロナの時にもらえた10万円みたいな感じでもらえると、すぐに使うことができるので、助かっている実感が湧きやすい」
育休中(30代):「低所得者の方には補助しながら支援していくと言ってますけど、結構、全体的に苦しいので、所得にかかわらず、子育てしやすくなるような、何か補助や負担を減らすような策」

『所得税』を払い続けている働く人たちは、こう話します。
IT会社経営(30代):「手取りが増えるんだったら、みんなは、うれしいんじゃないかな。(Q.1年間、所得税減税された場合の効果は)1年間だけだったら、結局、戻った時に手取りが減って嫌になっちゃうのかなと思う」
会社員(50代):「がっつり3割ぐらい(所得税減税)してくれれば、うれしいですけど。給料が銀行振り込みなので、実感するのは、結構、先で。手元に来るものでもないので、『よし、お金使うか』とはならない」
作家(30代):「目先の選挙のためだけにバラマキして、将来つけが回ってきて、何年後かに“請求書”が来るんだろうなって」

岸田総理の指示を受け、自民党が動き出しました。自民党税制調査会は23日、会合を行いました。
自民党・林芳正前外務大臣:「初顔合わせですから、色んな議論を致しました。(Q.減税の話も)それも含めて、税制の全般を」

ただ、財源について、専門家は、こう指摘します。
第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミスト:「今年度の税収が、昨年を上回るペースで増えるかどうかは、まだはっきりとわかってない。見極めるのは、来年の5月ぐらいになる。一体いつの税収増を考えながら、減税の規模を決めていくのか。スキームを決めるのは、結構、難しいんじゃないかと」

また、実際に減税を行うには、法改正が必要となり、始まるのは来年の夏以降との見方もあります。さらに、今後は『防衛増税』も控えています。
第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミスト:「増税の話が出てきて、減税の話が出てくると、両方相殺して、増税の必要性を打ち消す方が先なんじゃないのかなと。なかなか、そういう話にならずに、防衛増税は防衛増税、所得税減税は所得税減税。非常に辻褄(つじつま)が合いにくい話」

与野党からは、このような声が上がっています。
公明党・山口代表:「だいぶ前、定額減税を議論した時は2万円という数字で議論していた。それではちょっと心細いのではと感じています」
立憲民主党・泉代表:「ここまで経済対策が遅れたことも総理による人災だと。後ろには増税が隠れているなかで、“減税”だけを表に出そうと目論んだ総理の真意も問わなければなりません」

◆政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.エコノミストの熊野さんは、実感と即効性に乏しいとも指摘していました。与党の中からも「あまり筋の良い手ではない」という声が出ています。岸田総理は、それでも“減税”をやるのでしょうか)
これはもう“減税”はやるということになります。出発点は、増税イメージの払しょくです。まさに“減税”にこだわるということになると思います。ただ、すでに与党内から議論百出です。「すべて給付金で配るほうが早いのではないか」とか、公明党の山口代表は定額減税なら2万円超えだとか、いろんな声が出ています。「1年限定だ」という意見もありますが、岸田総理としては、賃上げが芳しくなければ、来年も再来年も“減税”を続ける構えですので、出口が見えている訳でもないということになります。

(Q.大事なところがあいまいだと、今国会、始まったばかりですが、これからの与野党の論戦に耐えられるのでしょうか)
実は、いま、永田町で奇妙な現象が起きていまして、ある野党幹部は「岸田さんを追い込んで辞任させることはしない。生かさず殺さずだ」と言うんですね。つまり、今回の補欠選挙は1勝1敗でしたが、支持率の低い岸田総理での解散総選挙なら、野党にも勝ち目が出てくるのではないかというのが野党側の本音のようです。野党も本気で倒そうとはしない。一方で、自民党内でも岸田おろしの動きはない。奇妙なバランスのなかで、低値だけど安定しつつ、岸田政権は来年まで続いていくと見ています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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