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「SNSが変えてくれる」電話すら貴重な“限界のガザ”ジャーナリストが取材応じる訳(2023年10月22日)

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地上侵攻の緊張が高まっています。
イスラエル軍はガザ地区への攻撃強化を発表。
住民に対し、「退避しないという選択をするならテロ組織の一員とみなす」と警告したとも伝えられました。

■イスラエル軍「攻撃強化」発表…ガザ“地上侵攻”迫る

夜間も続く、イスラエル軍による空爆。ガザ地区の建物が崩れ落ち、黒煙が吹き上がる様子が映し出されています。地上侵攻は近いのでしょうか…21日、イスラエル軍の報道官は、ガザ地区への攻撃を強化すると発表。
(イスラエル軍 報道官 ハガリ少将)「我々は戦争の次の段階に向けて、北部のハマスへの攻撃を強化します。」
イスラエル軍の参謀総長も、兵士らを前に…
(イスラエル軍 ハレビ参謀総長)「我々はガザに入り、ハマスの工作員とインフラを破壊する専門任務に着手する。」
一方、イスラム組織「ハマス」は、日本時間22日のけさ、「人質の女性2人を解放する用意ができている」とテレグラムで声明を発表しました。
「きのう夜、仲介役のカタールに、あす解放する予定を知らせた。人道上の理由で代償は求めない。しかし、イスラエル当局は拒否した」
イスラエル政府は、「ハマスの虚偽のプロパガンダに乗らない。人質全員の帰国にあらゆる手段を講じる。」と反発しています。

■「車両に金属探知機」物資搬入も“限界”のガザ

完全封鎖から2週間。21日、ゲートがようやく開き、ラファ検問所からガザ地区に支援物資が搬入されました。しかし、トラックはわずか20台。220万人が住むガザ地区への支援物資としては、あまりにも少なすぎます。実際に現地で物資を提供したエジプトのNGOに電話がつながりました。
(物資を提供したボランティア)「騒動が起きて以来、ずっとこの場所にいます。せめて1台だけでも増やしてほしいと食い下がったが断られました。」
今回、搬入が認められたのは水、食料、医薬品などで、燃料は含まれていません。イスラエルは、燃料がハマスに渡り、ロケット弾の発射などに使われることを警戒していると言います。
(物資を提供したボランティア)「検査は非常に厳しかったです。車両に対しても金属探知機で検査が行われました。(20台に制限されたのは)車両が攻撃を受ける恐れがあるから。ハマスは検問所を攻撃していませんし、車両を攻撃すると脅してもいません。逆に空爆で脅してくるのは常にイスラエル側です。」
ガザ地区内に運び込まれた物資は、無事に市民に届くのか…
ラファに住むジャーナリストに話を聞く事が出来ました。
(ラファに住むジャーナリスト)「先ほどラファ検問所でガザに10~12台のトラックが入るのを見た。支援物資はラファやガザにある避難所や学校・シェルターに配布される。支援物資の量は足りていない。1日か2日分だけ。」
今回の支援物資はトラック20台分ですが、国連は、1日100台分の物資が必要だと指摘しています。
すでに、市民生活は限界です。以前は色とりどりの商品が並んでいたガザ地区南部のスーパーは今…
(ガザ南部のスーパー店主)「倉庫は空っぽ、基本的な食料品は売り切れ。飲料水は全然ない。電気は発電機を使っているが2日前から燃料が手に入らない。」

■“助かる命も助からない”病院の惨状…空爆危機も

燃料不足は深刻で、医療施設も危機的状況にありました。ガザ地区南部にあるヨーロピアン・ガザ病院の院長は―。
(ヨーロピアン・ガザ病院 ユーセフ・アルアッカード院長)「大量の燃料を必要とする、発電機を使わざるをえない。病院に残っている燃料は少ない。わずかな日数でなくなる。」
発電できなくなれば、助かる命も助からないと言います。
(ユーセフ・アルアッカード院長)「入院しているのは270人で、30人はICUにいる。大惨事になる。ICUの入院患者は亡くなる。」
病院の庭にはテントが並び、北部から逃れてきた多くの人たちが身を寄せていました。特に子どもの姿が目立ちます。
Q. 空爆はガザ南部にも?
(ユーセフ・アルアッカード院長)「はい毎日です。きのう病院に近い場所が空爆され、死亡した11人とけが人10数人が病院に運ばれてきました。病院の西側の建物が被害を受けました。」
これはガザ地区北部のアルクッズ病院の様子です。ここにも、けが人だけでなく、廊下に敷物を広げて避難生活を送っている人たちが大勢いました。この病院を運営するパレスチナの赤新月社によると、イスラエル軍から空爆を行うため、病院から直ちに退避するよう勧告を受けたと言います。
(病院スタッフ)「脅迫を受けたが、脱出が不可能です。病院や医療従事者や民間人を攻撃対象から外すべきです。我々は標的ではない、標的になってはならない。我々は人道的な役割を、仕事をしているだけです。」
イスラエルメディアによると、イスラエル軍は「病院を標的にすることはなく、退避勧告もしていない」と否定しています。
いずれにしても戦火が広がれば、犠牲になるのは、いつも弱い立場の子どもたちです。
「アル・アハリ病院で負傷した。家族で生き残りは誰もいない。家族はいない。」

北部から逃れてきた人たちは、南部にある難民キャンプに殺到していました。
(ラファ難民キャンプ アブアフマド代表)「ラファ難民キャンプには北部からの避難者が5万人以上いる。収容人数が1500~2000人の施設に難民の数は7000人に達している。1万人がいる施設もある。」
難民キャンプに避難しているジャーナリストのハララさん。
(難民キャンプに避難したジャーナリスト ハララさん(29))「私には子どもが3人いて水を必要としているが、体を洗う水も飲み水も足りない。住民でなんとか分け合っているが食べ物も水も限界がある」
日に日に電話もつながりづらい状態に…取材中にも…
(取材スタッフ)「あ、また切れちゃった…」
(ジャーナリスト ハララさん)「すみません。インフラも攻撃を受けていて、電話もインターネットも接続が良くない。今携帯は10%ほどで、充電するにも長蛇の列ができている」
ジャーナリストのハララさんが最も恐れるのが、ガザ地区の惨状が世界に伝わらなくなることです。
(ジャーナリスト ハララさん)「メディアやSNSは日々悪化していく状況を変える力があると思う。ガザ地区の惨状を伝えるため発信することが大事です。」

10月22日『サンデーステーション』より (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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