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ガザ住民に退避通告が出されて20日で1週間。2014年の地上侵攻が、退避通告から1週間後に始まったという例に鑑みれば、いま、この瞬間、侵攻が開始されても不思議ではありません。
ガラント国防相:「テロ組織のハマスを含め、テロリストに関連したすべてをせん滅せよ。近いうちにガザの中で再会しよう。健闘を祈る」
この先、ガザの未来に何が待っているのでしょうか。イスラエル首相府・レゲブ上級顧問が我々のインタビューに応じました。ネタニヤフ首相の側近の1人であり、政権の中枢を担うキーマンでもあります。
(Q.『ハマスのせん滅』とは、具体的にどのような目標ですか)
レゲブ上級顧問:イスラエルは、ハマスの軍事組織と政治基盤の壊滅を目指しています。参考となるのが『イスラム国』が掃討されたときの実績です。我々もガザで同じことをしたいと思っています。ガザをハマスから解放し、我が国民を守るのです。ガザ市民のためにもなるはずです。ハマスの過激思想、恐怖、野蛮な暴力より、ふさわしい環境が彼らにはあるはずです。
(Q.どんな条件がそろえば、イスラエル軍の地上侵攻にゴーサインが出るのでしょうか)
レゲブ上級顧問:イスラエルは、民主主義国家なので、安保関連の閣僚が話し合って決めます。首相と国防相が率いる少人数の閣議で“その時期”が決められます。目標ついては、明確にお話しできます。イスラエル人は、テロリストによる侵略を断固拒否します。軍事作戦が終了すれば、ガザには新たな現実が現れます。イスラエル国民は絶え間ない脅威から解放されます。ハマスの狙いは、イスラエルとサウジの和平のチャンスを潰すことでしょう。ハマスはイスラエルだけの敵ではなく、中東の和平や協力を望む国々すべての敵です。ハマスを滅ぼすことは、我が国や国民を守るだけではないのです。
ハマスのせん滅は中東のみならず、世界全体の平和のために必要なことだという考えです。
民間人数百人を殺害し、約200人を拉致するなど、衝突のきっかけの作ったのはハマスです。ただ、その後のイスラエルも、ガザの一般市民を巻き込む空爆を行い、約4000人の犠牲者を出しているのも事実です。ガザ北部には、今なお10万人の市民が残るとされています。
(Q.ハマスせん滅のためには、民間人に犠牲もやむを得ないという考え方は、イスラエル国民の支持を得ているのでしょうか)
レゲブ上級顧問:その点について 私たちの立場を明確にさせてください。歴史上、市民に犠牲が出なかった戦争などありません。不可能です。ハマスの兵力を掃討する過程で、私たちは市民の犠牲を極力抑える最大限の努力をします。ですから、公に、彼らにガザ地区の北部から離れるように要請しているのです。皆さんに知っていただきたいのは、ハマスがガザ市民に『避難するな』と言っていることです。彼らの大義のために『とどまれ』『殉教者になれ』と言っています。ハマスが、ガザ市民の命をどう思っているのかがわかるでしょう。
一方で、ガザ地区を完全に封鎖し、水や食料、燃料といった物資の供給を止めているのはイスラエルです。医療も崩壊の危機に瀕しています。
(Q.人道危機が深刻化しています。イスラエルを支持する人から『停戦』を求める声も上がっているが、そうした意見をどう受け止めますか)
レゲブ上級顧問:私たちが停戦に合意することはありません。理解していただきたいのは『停戦はいいこと、殺害が止まる』と考えがちですが、 一時しのぎの“絆創膏”であって、根本的な解決にはなりません。今、停戦し、平穏が訪れても、1、2カ月後には、また彼らからの攻撃があるでしょう。1年、2年後だとしても、ご御免です。私たちは、人道的支援に対してはオープンです。しかし、それには一つ条件があります。すべての援助物資を一般市民に届けるということです。ハマスに奪われてはいけないということです。それには理由があります。数日前にガザ地区に病院の発電機用の石油の支援がありました。ところが、ハマスに奪われ、軍事転用されました。 国際社会がガザ市民のために援助するのなら、ガザ市民に届く枠組みを作るべきです。テロリストを強化するのではなく、ガザ市民に届くという確証が欲しいです。
(Q.現状、この戦いを終わらせる術はないのですか)
出口戦略はあります。私たちは1つの目標に向かって進んでいます。それはハマスの軍事能力を破壊することです。ハマスの壊滅をもって終わらせるのです。
今週、一番大きな動きといえば、アメリカのバイデン大統領の電撃訪問でした。
(Q.バイデン大統領がイスラエルを訪れた際、バイデン大統領は地上侵攻について“レッドライン”は示したのでしょうか)
レゲブ上級顧問:バイデン大統領は賢明な言葉を述べられました。『二、三手先を読むべき』と。 9.11についても言及し、『アメリカの過ちから学んでほしい』と。それは正しいです。ハマスは必ずせん滅しますが、我々は、その先を見通さなければならない。何が起きるのか。“空白”ができるのか。誰がその“空白”に乗じるのかなどです。
(Q.イスラエルがハマス掃討に成功したとしても、パレスチナ側との遺恨は残るが、いかかがでしょうか)
レゲブ上級顧問:ハマスは、イスラエル人とパレスチナ人との和平に“障害”です。ハマスの打倒の先にこそ、道が開けるのだと思います。イスラエルと全アラブ諸国との平和のためなのです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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