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台湾では10日、『双十節』の式典が行われました。112年前の10月10日、辛亥革命が幕を開けたことから、台湾では“建国記念日”と位置付けられています。台湾の人たちが、“中華民国”の存在を改めて認識する日でもあります。
蔡英文総統、この記念日での演説はこれが最後です。“中国とどう共存していくか”が演説の重要テーマになります。
台湾・蔡蔡英文総統:「2016年から、現政権は公約通り“現状維持”を守ってきました。改めて強調したい、平和こそが台湾・中国の唯一の選択肢である。“現状維持”こそが、平和を確保する鍵なのです」
「現状維持こそが中国と共存する道である」7年前、蔡総統が就任当初から訴えてきたことです。しかし、中国の“台湾統一への野心”は、とどまるどころか、加速を続けてきました。この7年で国防予算は1.5倍以上に。初の国産空母『山東』が就役し、それからわずか3年で、新型空母も進水させる早さです。
台湾と中国との間で、70年近く、暗黙の“停戦ライン”とされてきた『中間線』。そこを中国軍機が越境してくるのも常態化しています。
蔡総統が次世代に残そうと取り組んできたのは、そんな中国に“現状を変えさせない”ための力。対抗する手段です。その最たるものが、初めて台湾が自力で建造した潜水艦。アメリカなどからの支援にやっとこぎつけ、建造を開始したのが3年前のことです。その重要性を蔡総統は、こんな言葉で表現しました。
台湾・蔡蔡英文総統(先月):「きょうは歴史に刻まれる一日です。かつて潜水艦の自主建造は不可能だとされました。これは国を断固として守るための具体的な実践です。潜水艦は、海軍の戦略と戦術において『非対称戦』の重要な装備です」
『非対称戦』。どうすれば圧倒的軍事力の差がある相手と戦えるかという考え方です。
身を隠した海底から警戒することで、中国の艦船の接近を困難にさせるのが潜水艦の役目。さらに、非対称戦に欠かせないとして、台湾が、いま力をいれているものがドローンです。
今年、台湾が開発した20時間飛行可能だという大型の偵察ドローンや、自爆式のドローンなど、さまざまなドローンが公開されました。これらが、蔡総統が取り組んできた『非対称戦』のカギ。航空戦力が6倍といわれる中国と戦うために不可欠だとしているものです。
軍事雑誌『全球防衛』・施孝イ編集長:「中国大陸が台湾に対する軍事手段は『グレーゾーンの衝突』と呼べる。『グレーゾーンの衝突』とは、正式に宣戦布告してないが、数を持って消耗戦をしてくること。なので、このような状況下での『非対称戦』では、相手の軍用機に対応する手段を見つけなければならない」
こうした『非対称戦』は、ロシアに対抗できているウクライナ軍の手法から学んでいる部分も大きいそうです。
台湾・蔡蔡英文総統:「私たちは民主主義の国。権力者は満足してはいけません。蔡英文の任期は、来年5月に終了するが、国は引き続き、前進しなければなりません。私たちは、より良い台湾を世界に提供したいだけでなく、民主的な台湾によって、世界をより良いものにしたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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