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炎上した茂木健一郎氏の発言から考える「ジャニーズの音楽」。いま直視すべき“ふたつの真実”とは|ニフティニュース


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故・ジャニー喜多川氏の性加害をジャニーズ事務所が正式に認めました。多くの批判の声があがっています。
◆茂木健一郎氏の投稿が波紋

 注目を集めたのは、脳科学者・茂木健一郎氏のSNSの投稿。

<ジャニーズにだまされる人は、芸術の教養が根本的に欠けている。クラシックからロック、ポピュラーまで、音楽のほんものに触れていれば、SMAPや嵐には騙されない。ジャニーズを聴くんだったら、モーツァルトやビートルズ、ボブ・マーリーを聴いたほうがはるかに深く世界に通じる教養が身につく>(2023年9月11日 自身のX)

 ジャニーズの音楽を“ニセモノ”と断じたのです。

 これに対してネット上で賛否両論が巻き起こっています。“そもそも本物の音楽って何だよ?”とか“ビートルズだってニセモノ扱いだった”との反論の一方、茂木氏の発言以前からパフォーマンスが低レベルだとの指摘があったのも事実です。“コーラスグループなのにロクにハモれない”とか、“ヘタクソなくせに他の事務所のアイドルを排除して競争原理が働かなくなった”と、日本のエンタメが劣化した原因のひとつがジャニーズだと考える人が多いようです。

◆「ジャニーズがエンタメのレベルを下げた」論には違和感

 確かにジャニーズの歌は上手ではありません。先日2人体制になったKing & Princeの生歌が流れたときには驚きました。音程が上がりきらず定まらずで、たとえるなら文字のなぞり書きすらおぼつかないような感じでした。

 歴史を振り返れば、近藤真彦、田原俊彦、シブがき隊、SMAP、嵐と、ほとんどまともなボーカルを聞かせるタレントはいません。

 その点では、茂木健一郎氏の発言は正しいのだと思います。

 では、もしもジャニーズがもっと高いレベルの歌唱を披露していたら、日本のエンタメは底上げされていたのでしょうか?

◆高い技術だけがアーティストの魅力ではない

 筆者は疑問を抱いています。なぜなら、高い技術の人間が必ず評価され人々を魅了できるかといえば、そこまで音楽は単純なものではないからです。

 茂木氏は「世界に一つだけの花」や「夜空ノムコウ」は作者の槇原敬之やスガシカオが歌ったほうがいいというのが<批評的言説としてはごく当たり前>だと発言しました。本当にそうなのでしょうか?

 競争をやめて最高の自分を目指そうというメッセージの「世界に一つだけの花」。自己実現に苦悩する若者のけだるさとほのかな希望を夜明けに重ねた「夜空ノムコウ」。いずれもナイーブな楽曲です。対照的な曲調ながら、若さと幼さが入り混じった不安定なエネルギーがある。

◆歌の不安定さゆえに伝わるメッセージ

 では、こういう曲を正確なピッチ、安定したリズム、巧妙なハーモニーで聞かせたとして、楽曲の価値は高まるのでしょうか?

「世界に一つだけの花」、「夜空ノムコウ」は、そうした要素を求めていない楽曲なのですね。むしろ洗練されたテクニックによって大切なメッセージが伝わらなくなってしまう。

 “ジャニーズの歌は下手だ”という批判は、むしろ最高の褒め言葉になり得るのです。

 SMAP以外でも、たとえば「もう君以外愛せない」(Kinki Kids)。声が裏返りそうな高音のユニゾンで永遠の愛を誓う。これを余裕たっぷりにハモったとしても切迫感を表現できるでしょうか。

「AMBITIOUS JAPAN!」(TOKIO)。作曲・筒美京平、作詞・なかにし礼による玄人の仕事と奔放なアマチュアリズムが生む緊張感は、専門的なトレーニングからは生まれないでしょう。

 このように、どこか抜けたところ、ほつれがあるのがジャニーズの音楽の特徴なのだと思います。不完全さが崩壊寸前のところにとどまっている。ギリギリのバランスを見極めて、改善や修正をしない判断力。

 ジャニーズがただ下手だと切って捨てられない理由は、音楽の不可思議さと深く関わっているのではないかと感じます。

◆性加害は絶対に許されない。だからこそ…

 しかしながら、ここで最大の問題が浮上します。唯一無二の個性を発揮させる眼力を持っていた人物こそが故・ジャニー喜多川氏だったということです。天才プロデューサーであり日本史上最悪の性加害者。どちらが欠けていてもジャニーズの音楽という文化は育たなかったでしょう。その事実が重たいのです。

 ジャニー氏の卑劣な行いを批判するために“ジャニーズはニセモノである”と批判するのだとすればあまりにも軽率です。ジャニーズが全く無価値で日本の芸能界にとって害悪だったと蓋をすることもナンセンスです。物事は正確かつ公平に見るべきです。

 ジャニーズブランドをなかったことにはできないし、その音楽は少なからず社会に潤いを与えてきました。

 しかしその功績によってジャニー喜多川を正当化するわけにはいきません。

 人並み外れた眼力を持った最悪の捕食者、ジャニー喜多川氏。

 このふたつの事実を直視せずに性加害問題は考えられないのだと思います。

文/石黒隆之

【石黒隆之】

音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/magazine/12193-2557274/

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