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鉄オタ崩れの「珍撮団」には億単位の損害賠償を求めるべき…鉄道ライターが「スシローに学べ」というワケ|ニフティニュース


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鉄道の写真を撮るために線路内に立ち入る、非常停止ボタンを押して走行中の列車を緊急停止させるなど、「撮り鉄」の迷惑行為が問題となっている。鉄道ライターの杉山淳一さんは「鉄道事業者は毅然と対応したほうがいい。高額な損害賠償を請求することがわかれば、迷惑行為も沈静化するのではないか」という――。■バイク乗りのイメージを下げた「珍走団」

最近は見かけないけれど、暴走族には先陣して赤信号の交差点を突入する「切り込み隊」がいた。全部隊が通過するまで他のクルマの通行を制止する役割だ。騒音より危険で迷惑な行為だが、彼らの中では尊敬を集める存在だったらしい。

一部の素行の悪い者のおかげで、善良な人々が迷惑する。これはどの分野にもある。「暴走族」と呼ばれた素行不良のおかげで、バイク乗りはさんざんな迷惑を被った。バイクに乗っているだけで暴走族扱いされるし、法的に16歳以上で原付免許を取れるというのに、自治体や高校などで「三ない運動」が起きた。1975年に愛知県教育委員会が始めたそうだ。免許を取らせない、バイクを買わせない、バイクを運転させない、だ。

そんな暴走族もすっかり影を潜めた。「暴走族」を「珍走団」と呼ぼう、というネットスラングが生まれ、バイクの暴走はカッコ悪いというイメージが広まったからではないか。

■撮り鉄と「珍撮団」を区別してほしい

撮り鉄の多くも「迷惑撮り鉄」のおかげで困っている。プラットホームの隅でおとなしく撮影していても、だれかが三脚や脚立を使えば危険行為。たいていは駅員や警備員から注意されて済み、見逃されている。それも問題だけれど、もちろん行き過ぎれば全員が退場となる。あるいは、以降は入場規制となり撮影自体が許されない。

本来、「撮り鉄」は紳士淑女の趣味である。しかし世間からはまとめて「鉄道や一般乗客や沿線の人々に迷惑をかけるヤカラ」と思われてしまう。「迷惑撮り鉄」のおかげで、マナーをわきまえた撮り鉄や鉄道ファンは風評被害に遭っている。

だから私は「迷惑な撮り鉄」を「撮り鉄」とは別に「珍撮団(ちんとりだん)」と呼んで区別してほしいと思っている。カッコ悪い名前にすれば、自分たちの行為がカッコ悪いと気付き、態度を改めてくれるか、退場してくれると思うからだ。しかし残念ながら「珍撮団」は私しか使っていない。ちっとも流行らない。まことに残念だ。

■マナーの悪い張本人はマナー論議に参加しない

迷惑撮り鉄を「珍撮団」と呼んでもすぐに弱体化しないと思う。しかし撮り鉄の風評被害の軽減になるだろう。とにかく私たち鉄オタは「珍撮団」と区別してもらいたい。

10年ほど前、しなの鉄道沿線の桜が珍撮団に伐採されるという事件が起きた。あの時も撮り鉄批判で炎上した。マナー論議もあり、鉄道雑誌やカメラ雑誌がマナー向上を訴えた。

あれから10年、状況はちっとも変わらない。マナー論議にマナーの悪い張本人は参加しないからだ。マナーをわきまえた人々が、それぞれの方法で議論するだけ。マナーを学ぶべき珍撮団に届かない。

■なぜ撮り鉄は同じ場所で同じ列車を撮りたがるか

先日、SNSで友人が「なんで撮り鉄は同じ場所で同じ列車を撮ろうとするのか」と問いかけた。同じく不思議に思う人もいるかもしれない。以下のような私の持論で納得してくれるだろうか。

簡単に言えば、撮り鉄という趣味は狩猟に通じる。誰かの獲物では満足できないから、自分だけの獲物がほしい。同じ場所で撮った同じ列車の写真を飾るならプロの写真でいい。しかしそれは自分の獲物ではない。だから同じ場所で狩ろうとする。

もう少し大きく論じれば、たいていの趣味は「狩猟」「採集」「栽培」の3つの要素のどれかがある。獲物を獲得する「狩猟」、モノを集める「採集」、モノを作る、育てる「栽培」だ。これらは人が食料を得るための本能と言っていい。

ところが人が進化し、通貨によって経済活動を始めると、「狩猟」「採集」「栽培」をしなくても食料を得られるようになった。しかし食料を得るための本能は残った。「狩猟」「採集」「栽培」の本能を満足するために遊び始めた。これが趣味。つまり本能の代償行為である。趣味はお金で食料を買ったり、領民から献上されたりする人々が始めた。

鉄道趣味で言うと、撮り鉄は狩猟、きっぷや鉄道部品コレクションは「採集」、鉄道模型は「栽培」となる。私のような乗り鉄はどれかと言えば「採集」に近い。「○○へ行った」「○○を見た」という経験をコレクションしている。地図帳で乗った路線を塗りつぶしていき、全路線の乗車記録をコンプリートした。新路線が開業するたびに乗りに行き、乗車記録を増やしている。そこまでしなくても「起点から終点まで乗りたい」とか、「特急列車や観光列車に乗りたい」などの経験を求めて動く。

■和気あいあいとした撮影現場が一変

どんな趣味も必ず代償行為の要素はある。あなたの趣味も「狩猟」「採集」「栽培」のどれかに当てはまるだろう。そこに考えが至れば、撮り鉄の行動を理解できると思う。カメラを持った人々が集まれば奇異に感じるかもしれないけれど、たいていは譲り合って和気あいあいとしている。周囲への配慮もできている。年配者が若者にアドバイスし、マナーを示してみせるという場面もある。

そして、これも趣味の分野を問わないけれど、母数が増えると問題行動を起こす人が現れる。撮り鉄も数が増えれば競争が始まる。「もっと近寄りたい」「対象以外の人やクルマなどで遮られたくない」「いっそ列車を停めれば撮りやすい」とエスカレートしていく。こうして他人に迷惑をかける「珍撮団」が発生する。

罵声を浴びせれば恫喝となるし、鉄道敷地や民有地、田畑など他人の所有地に入れば不法侵入だ。勝手に木を切れば器物損壊である。犯罪者だ。列車を停めれば鉄道営業法違反、往来危険罪、威力業務妨害罪だ。

珍しい臨時列車を撮るためにプラットホームの端にいる珍撮団は「われわれはきっぷを買ってここにいる客だ」などという。しかし、鉄道事業者の客は、通勤・通学・旅行などの所用で列車を利用する人々、貨物列車の荷主である。珍撮団の被写体となるために走っているわけではない。アイドルビジネスはファンのために活動し利益を上げるけれど、鉄道とファンの関係は違う。これはすべての鉄道ファンが心掛けてほしいことだ。

■少年が起こした迷惑行為の重い代償

少年が回転寿司チェーン「スシロー」で、醤油ボトルの注ぎ口や未使用の湯呑みの縁を舐め、レーンを回る寿司に唾液を塗るなどした事件は記憶に新しい。スシロー本部は警察に被害届を出し、少年は器物損壊容疑で書類送検された。さらにスシロー側は約6700万円の損害賠償を求めて民事訴訟を起こした。その後、金額を大幅に増やす方針であると報道されている。

約6700万円の民事訴訟について、ネットでは賛否両論だ。賠償責任はあるとしても約6700万円は高額すぎる。いや被害に比べれば少なすぎる。スシローの親会社の株価は160億円以上も下がり、スシローの客離れを招いた。約6700万円はスシローの被害額には及ばない。

正社員で定年まで働いた場合の生涯年収は、高校卒で約2億円。大学卒で約3億円という。企業として、人生を台無しにするほどの請求はしたくない、という手心があると思われる。

■悪質な客への毅然とした対応は再発防止策になる

一方で、この賠償請求が「行き過ぎた私刑」ではないか、という意見もある。少年側は「売り上げと株価の低下は、コロナ禍、他店との競争などの要因がある」と争うとも報じられている。金銭的な罰は重すぎないか、という考え方だ。確かにそうだが、この損害賠償請求の意味は「再発防止」だと筆者は思う。

スシローは筆者の自宅近くにも店舗があり、2年前に食中毒事故を起こした。保健所から5日間の営業禁止処分を受け、対策を講じて7日後に営業を再開した。しかし客足は遠のいており、かつてはピークタイムに何時間も並んだけれど、いまだにスムーズに着席できる状況だ。社会罰を受け続けている。

チェーン全体でも、キャンペーン商品の品不足、ビール半額キャンペーンポスターの事前掲出で批判を浴び、客足が遠のいたという。ここでも社会罰を受けたわけだが、その都度、防止策を実施している。自社が原因なら社会罰を受けなくてはならない。他者が原因なら賠償を要求する。悪質な顧客への毅然(きぜん)とした対応は再発防止策のひとつである。

■なぜか「迷惑撮り鉄」を訴えない鉄道事業者

本題に戻って、珍撮団の迷惑行為に対して、鉄道事業者が賠償請求した話を聞かない。列車を停めたとしても犯人が特定できないという理由もあるだろうけれど、そもそも警察に被害届を出さない。「乗客に被害がなかったから」とやり過ごしているようだ。

しかし、列車を停めれば多くの鉄道利用者が時間を奪われる。定時運行は鉄道輸送の信頼の源泉だから、鉄道事業者は顧客の信頼を失っている。そこに気付かないのか。こうした被害は簡単にお金に換算できるものではないが、数百万円や数千万円では済まないだろう。

珍撮団の行為は実害もある。列車が急ブレーキをかけた場合、固定された車輪とレールがこすれて、円形の車輪の一部に直線ができる。これは「フラット」といって、放置すると走行中に大きな振動や騒音が発生する。乗り心地が悪くなるだけではなく、部品の脱落などの不具合が起きる。修正する作業、交換車輪がなければ車両の運行停止、列車の運休となる。

■刑事と民事の両面で厳正に対処すべき

こうした実害があるにもかかわらず、珍撮団の反発と企業批判を恐れているのか、あるいはめんどうだからか、鉄道事業者は対処しない。せいぜい駅の入場を規制し、警備員を配置する程度。しかも強い調子で注意したら、態度の悪い駅員だと写真を晒されてしまう。そのリスクのほうが大きくなっている。

もちろん極度に悪質なものは通報し警察が動くけれども、損害賠償には至らない。甘すぎる。もし風評被害を恐れているとしたら、鉄道ファンと珍撮団の区別ができていない。犯罪者は刑事罰を受けるべきだし、損害を賠償してもらう。それが今のところ再犯防止の特効薬だ。鉄道事業者は珍撮団から被害を受けるたびに、キッチリとそれに見合った賠償請求をし、再発防止に取り組んでほしい。

そして善良なる撮り鉄のみなさんは、そのカメラで珍撮団の悪行を撮影し、警察に提出しよう。ネットで拡散して遊んでいる場合ではない。珍撮団の取り締まりに協力することは、自分の趣味の世界を守ることになる。

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杉山 淳一(すぎやま・じゅんいち)
鉄道ライター
1967年生まれ。都立日比谷高校卒。信州大学経済学部、信州大学工学系研究科博士前期課程終了。経済学士。工学修士。IT系出版社でPC誌、ゲーム雑誌の広告営業を担当した後、1996年からフリーライター。ウェブメディア勃興期にニュースメディアで鉄道ニュースデスクを担当したのち、主にネットメディアで鉄道分野を主に執筆。
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(鉄道ライター 杉山 淳一)

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/magazine/12179-2435322/

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