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「脚本家にもChatGPTを教えて、書くスピードを倍にするよう伝えています」仮面ライダーディケイド俳優・井上正大が語った「AIに仕事を奪われる人・奪われない人の差」|ニフティニュース


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「作り手として死んでしまう気がしたんです」仮面ライダー俳優・井上正大が「アニメ会社の社長」に変身したワケ から続く

『仮面ライダーディケイド』にて門矢士(かどや・つかさ)/仮面ライダーディケイド役で主演を務め、一躍その名を轟かせた俳優の井上正大氏。YouTube特撮ドラマプロジェクト『華衛士F8ABA6ジサリス』のプロデュースと並行しながら、今年1月にアニメ制作会社「AICライツ」の代表取締役就任を発表した。

 地球上、どこを探しても他にはいない。唯一無二の「仮面ライダー俳優でアニメ会社社長」の肩書き。なぜアニメ制作会社の社長になったのか、聞いてみた。(全2回の2回目/ 前編 を読む)

◆◆◆

■全員が制作・販売・宣伝の全てを担う時代

──インタビューをしていると、井上さんが自分に嘘をつかないタイプであること、裏表がないのがすごく伝わってきます。先の同業者との金銭トラブルでネットニュースになった時も、井上さんは自由に発言しつつ、ものすごく炎上したという印象ではない。自分の知っていることを正直に話すタイプだからかなと。

井上正大(以下、井上) あれはツイートすることではなかったかもしれないですね。

──禍根が残るような終わり方はしなかった気がします。

井上 賛否両論あると思うんです。でもSNSでは、本人が思ったことを発信していいと思うんですよ。自分で責任を取ればいいだけで。事務所に所属していたり、CMに出演してイメージが悪化することはしてはいけないという契約があればまた違いますが、きっと僕の場合はそういう契約もしない。「他の俳優にお願いします」と断るだけです。

 金銭トラブルの件で、もっと炎上して僕が批判されたとしても、それは自分の幼稚さが招いた結果。SNSがある時代では、良くも悪くも誰もが全部さらけ出してしまっている。だから、この件で批判されれば素直に受け入れようと思っています。

──若手俳優の中には、井上さんのようなマルチな活動をしたい人もいるのでは。

井上 そんなことはないですよ。役者だけやりたい人も多いです。ただ、僕がやっていることって最終的にはどこでも必要になってくると思うんですよ。ライターも記事を書くだけじゃなくて、宣伝のために表舞台に出ることがありますよね。

──ありますね。

井上 それを続けると必然的にマルチな活動になります。他の業種の社長も、自社の商品を売るために、自分達でSNSに動画を投稿したり、YouTubeチャンネルを作ったりしますよね。どの業種も、制作・販売・宣伝の全てを担う時代なんです。最終的にそれをどうマネタイズするかに行き着く。僕と同じです。

──社長が自ら商品の宣伝をする「ジャパネットたかた」みたいな。

井上 あそこが最強です。人々が好むコンテンツも細分化しているし、機材さえ揃えば自分たちで制作もできてしまう時代。昔から芸能界にいる人は適応するのが大変だと思います。今はAIも発展しているから、ふるいにかけられる職業もいっぱいありますよ。ChatGPTがあればライターも必要ないって言われるかもしれません。

──ライターも危ういですか?

井上 「このトピックの記事を書いて」とChatGPTに入力するとかなり精度の高い文章にしてくれますよ。こういう最新の技術を使って、僕らのドラマ制作の現場も少数精鋭で撮影してます。なるべく予算を下げて、この座組でどれくらいできるかチャレンジする企画でもあるので。こういうのはどんどん活用していきます。

■AIを知らずに作品づくりは難しい

──『ジサリス』で特撮ドラマの制作が進行中かと思いますが、アニメ作品はどうですか?

井上 1タイトルだけ制作に向けて走らせている最中です。ここから制作完了まで3年くらいはかかります。企画、シナリオ、監修やライツまわりなど、必要になれば何でもやっていきますよ。

──声優としての参加の可能性は?

井上 やる場面になればやっていると思います。あとは、そこもAIで何とかできるかも。声を作ってセリフを言わせるみたいなことですね。改めて芸能界って生き残りに向けて必死にならないといけなくて。他人事みたいに言ってますけど、僕も俳優だから、油断すると仕事をAIに取られてしまうかも。芝居一本で続けてきた人も、戦略的になる必要がある。

 そういう意味では、僕はこれからは一緒に仕事するのも若手を選ぼうと思ってるんですよ。

──どうしてですか?

井上 これからの時代に必要なのは、ひとつの能力が高いとか、実績がある人ではなく、いかに最新のソフトを使いこなせるか。そうなると若い方が適応力が高いんですよ。『ジサリス』で監督をメインとしながら、細かいこともやってくれている田邉明宏や、CG、小道具も作っている池田竜太もその適応力の高さが素晴らしいクリエイターです。一緒にやってて楽しいし、エネルギーもあるから、僕もがんばろうと思えます。

「爆発の表現ならまかせとけ」と言われても、予算の問題があるから、そのスキルだけで人を雇うのは難しい。AIに描かせてもいいわけですから。AIを知らない人がいい作品を出そうと思っても難しいです。AIが「何をしないか」を知った上で、人間側が独自性を出すことが大事なんです。

──弱みと強みを把握する。

井上 AIの弱みも強みも利用すればいいんですよ。脚本家にもChatGPTを教えて、脚本を書くスピードを倍にするよう伝えています。

──『ジサリス』をテレビ地上波ではなく、YouTubeで配信すると決めた理由は?

井上 テレビで流すかどうか悩んだ時期もありました。でも、コンテンツが多様化している中で、テレビを見ていない人も多いですよね。どんどん人がシフトしているから、やっぱりYouTubeかなと。「お前、もっとテレビに出ろよ」と知り合いから言われることがありますが、そこに対して焦る気持ちはありません。自分のスタンスでこれからもやっていきます。

──素朴な質問ですが、広告映像やテレビCM出演は実入りがいいイメージがあります。そこを狙うことはないのでしょうか。

■俳優も今や「職業」ではなく「技能」にすぎない

井上 僕はCMや広告で実入りがいいイメージって無いです。アパレルブランドのCMに出たとして、その俳優が服を着たことで売れたとします。それなら、俳優自身が自分で服をデザインしてブランドを手がけたほうがキャリアになるじゃないですか。

 事務所に所属しているなら、CMに出演してもギャランティが跳ね上がるわけじゃないと思います。CMに出たことが、結果としてプロモーションになって仕事が増えることはありそうですが。

──なるほど。

井上 逆に、アパレルブランドも自社の社員をSNSに出して、服を着せている姿を見せてもいい。そうなると俳優やモデルって必要ないですよね。プロモーション費もかからない。

 俳優も、今や職業から技能になっています。TikTokに投稿されている動画を見ても、みんな何かしら演じていますよね。あれも演技です。「簿記2級を持ってます」と同じように「演技してます」とも言えると思います。

──アニメ制作会社社長としての顔だけでなく、「ChatGPTとAIを熱く語る仮面ライダー俳優」という側面も見られたのが面白いです。

井上 もう、そのあたりの技術はスルーできないですね。ChatGPTを使って記事を書く時間を半分にして、倍の仕事も受けられますよ。1人では大きなプロジェクトを動かせないし、こういう技術を使ってチャレンジングな企画に乗ってくれる人達と、一緒に大きな作品をつくりたいですね。

(川俣 綾加)

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/entame/etc/12113-2409693/

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