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炎上

バイト先での動画が大炎上した22歳「僕の人生は終了した」300万円の賠償金、実家にまで誹謗中傷…炎上は本当に正義か――2023年上期トップ10|ニフティニュース


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2023年も早いもので半分が終わろうとしている。そこで日刊SPA!で反響の大きかった2023年上半期の記事トップ10を発表。半年間1500本以上の記事から選ばれた第1位は、こちら!(集計期間2023年1月~6月まで。初公開日2023年4月12日 記事は取材時の状況) *  *  *

’22年に発生した炎上事件は1570件(『デジタル・クライシス白書2023』より)。一日平均4.3件。今日もどこかで誰かが燃えている。特に、回転寿司チェーン「スシロー」での迷惑動画がSNSで拡散されたことが記憶に新しいが、犯人の個人情報を晒し、実家や所属先にまで社会的損害を与える“制裁”は、いきすぎた正義ではなかろうか。更生の余地すら与えない現代デジタル社会の闇、あなたの正義感は果たして正しいのか、今、試される――。

◆【炎上した人に聞く】酔った勢いでの行動が思わぬ事態に…

「ゴミくず。早く死ね!」
「死んだほうが社会のため」
「人生終わらせてやるよ」

昨年9月初旬の午前2時、吉田大成さん(仮名・22歳)は鳴り続けるスマホの通知音で叩き起こされた。眠い目をこすってスマホを手にすると、目に飛び込んできたのは冒頭の罵詈雑言。DMの受信を知らせる通知音はやまず、夜明けまでに約5000件もの“刃”が吉田さんの胸を抉った。

遡ること4日、吉田さんはバイト先の居酒屋が営業を終了した後に同僚たちと店内に残って酒を飲んでいた。若い仲間たちと浮かれて、吉田さんは酔った勢いで服を脱ぎ、おどけてみせた。

「裸のまま店内をうろつき、客が使うメニュー表で“アキラ100%”の真似事をしていました。同僚がゲラゲラ笑いながら動画を撮っていたのを覚えています」

翌朝、その動画が同僚のインスタグラムの24時間で投稿が消えるストーリーにアップされていることを知ったが「友人・知人ばかりのフォロワー100人程度の“鍵垢”だから大丈夫だろう」と大して気に留めなかった。

◆フォロワー100人程度の“鍵垢”のはずが…

しかし、吉田さんの姿はフォロワー数の多い“晒し系”アカウントにより「【害悪】全裸店員」として全世界に拡散されていた。

「自分の顔出しでの動画への反応が、ツイッターで数分の間に100、200、300……とどんどん拡散されて数字が上がっていく状態に恐怖を感じました。アカウント特定だけではなく、すぐに実名、大学、学部、バイト先も特定されてしまい……。

あとからわかったのですが、友人の鍵垢を見たフォロワーのひとりが、『こんな馬鹿がいるから取り上げて懲らしめてくれ』と数十万人のフォロワーがいるインフルエンサーに保存した動画をリークしていたみたいです。もちろん、自分がしたことが悪いと反省していますが……」

◆誹謗中傷は吉田さんの実家にも

吉田さんの実家にも誹謗中傷の電話やピンポンダッシュが相次ぎ、拡散から2か月後に引っ越しを余儀なくされた。客足が遠のいたバイト先は被害届を提出し、吉田さんは威力業務妨害の疑いで書類送検。300万円の賠償金も負った。

「幸い、大学は退学処分を免れ5か月の停学となりましたが、ほかの学生の視線が怖くて、停学処分が解けた今も大学に通えていません」

◆ネットに残った動画のスクショ

吉田さんの名前をネットで検索すれば、今も動画のスクショが実名とともに出てくる。騒動の4か月後にほかのバイトの面接を受けたが、不採用が続き、なかには「炎上したバカは雇えないよ」となじられたこともあったという。

「最近は面接前にまず名前をネットで検索するみたいで、バイトはおろか就活なんてもう無理。外を歩くと全員が自分を責めているようで、顔を上げられない。“彼ら”が望んだように、僕の人生は終了したんだなって」

今年2月には投身自殺を図るもマンションのほかの住民に見つかり、警察が保護。自殺騒動以降は週に2回精神科に通院する日々が続いている。

◆【拡散させた人に聞く】悪い人は“処罰”を受けて当然だ

彼の行動は決して許されるものではない。犯した罪は法の下で償うべきだが、何千何万もの他人から正義の名の下に“私刑(リンチ)”を受け続けるほどなのだろうか。

「悪いことをした人は、相応の“処罰”を受けて当然だ」

そう語るのは、某大手企業で部長職を務める神崎幸雄さん(仮名・53歳)。取材時に判明したが、彼も前出の吉田さんに“正義の刃”を振りかざしたひとりだった。

◆炎上案件が目に留まると…

昼休みや休憩時間に、スマホでYahoo!ニュースやSNSをチェック。炎上案件が目に留まると、拡散された悪行を熟読する。吉田さんの騒動では【嘆かわしいモラルの低下。親の教育はどうなっているのか。こういう人外が日本をダメにする】(原文ママ)というコメントとともに、動画を拡散させていた。

「回転寿司の迷惑動画事件でもわかるように、日本人の民度は確実に落ちている。このままでは日本の未来が危ない。彼のその後を聞くとかわいそうだと思う自分もいるが、悪事を働いたなら因果応報。悪気があって辛辣なコメントをしているのではない。社会のためだと信じて続けています」

コメントに賛同の声がつけば、「やはり自分は正しい」と認められた気にもなる。神崎さんは今日も悪行を見つけては「世直しのために」正義の刃を振るい続けている。

◆【専門家に聞く】誰が正義の刃を振るっているのか

神崎さんの発言からもわかるが、炎上に参加する人は必ずしも嫌がらせや悪意の下に行っているのではない。多くは自らの“正義感”に基づいて他者を叩いている。経済学者の山口真一氏はこう語る。

「私の統計調査では、炎上に参加した人々の60〜70%が『許せなかったから』『失望したから』という理由で攻撃したと回答。いわば、各々の“正義感”に基づいて攻撃しているわけです。ただし、ここで言う正義とは社会的正義ではなく、あくまでも“その人の中の正義”。

各々の価値観によって『正しい/間違っている』と決めつけて非難しているだけとも言える。これでは『ムカつくから』とリンチしているのとなんら変わりません」

◆“正義が暴走する状況”が日本各地で頻発

今の時代、多くの人が漠然とした不安を抱えている。そうした状況で「悪者」を見つけ、行き場のない鬱憤や不満を、“正義”の名の下に自分より下に扱える相手、批判してもいいだろうと決めつけた人々に対してネット上で吐き出す……。

こうした“正義が暴走する状況”が今の日本で頻発しているのだ。

◆【専門家に聞く】炎上案件を広く世に拡散させるプロ

書き込んだ側は一時の暴走であっても、刃を振るわれたほうには傷が長らく残り続ける。炎上対策会社MiTERUの代表を務める、おおつねまさふみ氏は近年の炎上の特徴として、「炎上案件を広く世に拡散させるプロが台頭している」ことを挙げる。

「冒頭の吉田さんの事例のように、本来ならば限られた数十人しか閲覧できなかった動画を、数十万人のフォロワーを抱えたインフルエンサーが拡散し、炎上を誘発。インフルエンサーにとって取り上げる題材の真偽はどうでもよく、反響があって広告収入に繫がればOK。数年前の不道徳な動画を掘り起こして拡散させるケースもあり、過去の投稿であっても“正義”の名の下に槍玉に挙げられる事例が増えています」

今日もどこかで、歪んだ正義感は暴走し続けている――。

【経済学者・山口真一氏】
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授。専門は計量経済学。著書に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』

【炎上対策アドバイザー・おおつねまさふみ氏】
炎上対策会社MiTERU代表。元システム管理者。ネットの黎明期から活動し、現在も昼夜を問わずネット空間をウォッチする

取材・文/週刊SPA!編集部

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/magazine/12193-2403003/

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