千葉県の熊谷俊人知事(45)が6月12日、自身のTwitterで新型コロナの感染対策についての考えを投稿したが、その内容が波紋を呼んでいる。すでに削除されているが、その内容は以下の通りだ。
《医療関係者の中には繰り返す感染の波に疲弊し、できれば多くの人等が自分たちが病院の中でしているように強い感染対策をして欲しいと思うかもしれません。「医療従事者に感謝を」の言葉の繰り返しの中で医療従事者が最優先される風潮に慣れてしまったかもしれませんが、この3年以上もの間、観光・宿泊含め、多くの人たちが職を失い、生活を犠牲にしてでも、医療を最優先に感染対策に協力してきてくれました。
頑張ってきたのは医療従事者だけではありません。雇用を失い、借金をしてきた人達、青春の貴重な経験を失った子供・若者のことも忘れないで欲しいのです。
私は「医療従事者に感謝を」だけは言いません。必ず「医療従事者を始め、協力頂いた事業者・県民に感謝します」と申し上げています。
社会を「緩やかに」正常化していきましょう》
感染対策の緩和を訴えた熊谷知事だが、コロナ禍の最前線で奮闘してきた医療従事者について疑問を呈するかのような発言には、批判が相次いだ。
《ちょっと認識のズレがある
自分たちが疲れて大変だから感染対策を呼びかけてはいないです
搬送先がなくなったり、救急車来なくなったり、通常医療が回らなくなったりする事を懸念していましたし、今もそれが懸念材料です》
《医療関係者が疲弊するから感染対策を呼びかけてるって思われるのうけるな。感染拡大して困るのは、医療関係者というより医療を必要とする人やその家族だと思うけど》
《医療従事者以外にも事業者などが苦しんだ点を認識する重要性はわかりますが、わざわざ医療従事者を敵視するような前置きをおく必要はありません》
《「医療従事者」が最優先されたのではなく、命を守るために「医療」が最優先されてきたけど、それって当たり前のことじゃない…?
「医療従事者が周囲に病院と同じような感染対策してほしいと思ってるかもしれない」って聞いたことないけど? 医療従事者に矛先が向くよう誘導する謎の知事。。》
実は、熊谷知事は昨年12月にもTwitterで“炎上”騒ぎがあった。学校行事の人数制限や給食の“黙食”の規制緩和をいち早く千葉県独自で取り入れ、Twitterで宣言したのだが、そのことに疑問を呈した千葉県民のツイートに“対決姿勢”で反論して波紋を呼んだのだ。
千葉県在住の小説家・北里紗月氏が「黙食の見直し」の熊谷知事のツイートに下記のようにコメント。
《黙食が何の自粛に当たるのか不明です。給食時、短時間の黙食はメリットこそあれ特にデメリットはないと考えます。また、対面給食+黙食の指導をしている学校もありますがメリットが分かりません。喋りたくなる環境を作り、会話禁止は意味がないと思います》
すると熊谷知事はこれを引用する形で、下記のように反論。
《では、貴方は全ての食事において他人と対面せず、かつ黙食を今後も続けて下さい。教室のように換気が十分な環境で、管理者も居て、前向きに着席した状態での、大声でない会話すら規制することを子供に強いることを望むのですから、当然自らもされているのですよね?》
《千葉県では県民にも飲食店にもそのような要請はしていませんし、教職員が自らそのようなことを実践しているわけではないので、学校における合理的な範囲での黙食見直しを推進します。個人の要望は尊重されるべきで、お子さんは換気が十分でリスクの低い窓や廊下に近い席で食事をされれば良いでしょう》
この言い方にネットでは、《今回の千葉県知事のアレ、「そんなに言うならお前の子供は窓際で食えよ(意訳)」これだなあ、やっぱり 子どものことを想った提言というタテマエが全部ぶっ飛んだよコレ》《千葉県知事のあの意見は100%「言い方」で損してる感じがする》などと集中砲火を浴びることとなった。
「今回の熊谷知事の発言は、他の発言も見れば、“コロナ初期のワクチンも有効な治療薬等もなく医療現場が逼迫していたころとは状況が変わったので、状況に応じた合理的な感染対策にシフトして、正常な社会生活を取り戻しましょう”といったことが本来伝えたかった趣旨であることはわかるのですが、わざわざ医療従事者を“槍玉”にあげたことで批判が集まりました。
“黙食”のときもそうですが、“規制緩和路線”は医療従事者も含めて反対の声も根強く、反対意見の人たちを説得するのに苦心してきた苛立ちがあるのかもしれません。発言の本来の趣旨は知事なりの科学的な理解に基づいた政治判断なので、賛否はあれど炎上案件ではないはずですが、“負けず嫌い”な言い方で損をしていると思います」(全国紙記者)
熊谷知事は問題のツイートを下記のツイートとともに翌日削除し、こう釈明した。
《医療関係者の「中には」と申し上げたのですが、医療関係者全体を指していると受け取られる等、本来申し上げたい趣旨が伝わらないと判断しましたので、当該ツイートは削除いたします。表現が十分でなく、一部の方にご不快な思いをさせたことを申し訳なく思います》
2021年3月に過去最多の140万票超を獲得して、千葉県知事に当選した熊谷知事。“論破”ではなく“説得”する政治を期待したい。
]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/domestic/society/12268-2389080/