【本ページはプロモーションが含まれています】

炎上

山田哲人のHRボール“横取り疑惑”「本人は年間シートを買うほどのファン」代理弁護士が明かす見解|ニフティニュース


ブログランキングに投票お願いいたします。

[

5月2日の巨人対ヤクルト戦で、「ホームランボールを少年から奪い取った」という疑惑の目を向けられた観客の男性がSNSで誹謗中傷を受けて炎上している。
 この騒動を受けて、8日は代理人の中川素充弁護士が「誹謗・中傷の著しい投稿やプライバシー侵害が著しい投稿について保存行為等を行なっており、法的措置を検討する」との声明を発表した。今回、中川弁護士に代理人に就任した経緯や、加速するネット私刑を巡る法的な見解などを聞いた。

◆「自分の友達がネットで炎上している」

――まず、中川弁護士が代理人に受任した経緯をお教えください。

中川素充弁護士(以下、中川):5月3日に友達から連絡をもらって、「自分の友達がネットでかなり炎上してしまっていて相談に乗ってくれないか」ということで、5日に本人と面談をしたんです。実際に内容を聞いて「あまりにも酷い」と思ったので受任をしたという流れですね。

――本人から事の経緯を聞いたときに、中川弁護士の見解は?

中川:もっち~氏(男性のアカウント名)は、ホームランボールを奪った、奪ってないということに関しては、そのときに周囲から「奪っただろ!」というようなことは一切言われていないと。中継された映像を細かく見ても本当に少年が先にボールを掴んで、それを横から奪っていたら少年の腕が大きく動いているはず。そうなると、位置関係で不幸にもボールを奪ったように見えてしまったのかなとは思います。

 ただ、ボールを奪ったと捉えた人がいたとしても、本名や顔写真などをSNSで「少年から強奪した男」と全世界に向けて晒すことは決してあってはならない。ですので、ツイッター、YouTube、ブログ、5ちゃんねるの掲示板などを中心に、プライバシー侵害や肖像権侵害のひどいものについて発信者情報開示の申し立てをしたという経緯です。

◆プライバシー侵害、肖像権侵害にも

――違法性の高い投稿とはどんなものでしょうか。

中川:プライバシー侵害、肖像権侵害の観点からみているので、投稿内容の酷さでいったらもっとあるのですが、顔写真や本名、居住地など特定したものもありましたので、そういうものは片っ端から対処しています。本人がSNSで自分の顔を出したり、自分の本名を書いたりしているんだから何が問題なの?と反論する方も多いんですが、勝手に使っていいわけではない。本人の承諾がなければ違法なんです。「ボールを奪った」として顔や名前を使われることを本人が承諾するわけないです。

◆事務所に無言電話や爆破予告の嫌がらせも

――面談されたとき、もっち~氏はどのような様子でしたか?

中川:やはり許せないものはあると。本人はヤクルトファンで年間シートを買っていたのですが、炎上以降は恐怖で野球場にも行けなくなってしまい、かなり落ち込んでいました。「訴えられるものは訴えたい」というのが本人の意向。また、住所が晒されたことで、本人が不在時に自宅に記者と称する人間が来たこともあるみたいです。

 それから、声明文を発表してから私のところにも嫌がらせ行為がありました。公開している私の関係する団体のメールアドレスで勝手に登録して、企業に爆破予告のメールを送っていたり。これは偽計業務妨害にあたりますし明らかな犯罪です。ほかにも事務所に無言電話がかかってきたり、痔の薬のサンプルが届いたり……。私自身はメンタルが強い人間だとは思ってますけど、そういう誹謗中傷が続いていると気分は落ち込みますよ。

◆プライバシー侵害や肖像権侵害は明白

――開示請求から訴訟まで持っていったとすると、勝てる見込みは?

中川:金額はともかく裁判を起こせば、こちらの主張が認められるケースが多いと考えています。プライバシー侵害や肖像権侵害は明白ですし、彼の容姿を貶すような発言も侮辱的な表現ですから。

――そういった誹謗中傷に関する相談件数は増えていますか?

中川:ネットに関する名誉毀損の相談は結構ありますね。ツイッターで誹謗中傷されたり、5ちゃんねるで書かれたっていうパターンです。逆に誹謗中傷を書いてしまって訴えられたから弁護してほしいという相談もあります。

◆やりやすくなった?情報開示請求の現在地

――近年、情報開示請求の簡略化が進んでいるとは思うのですが、開示請求から訴訟までどのぐらいの時間がかかるのでしょうか?

中川:ツイッターでいうと、以前までは書類はすべてアメリカに送らないといけなかった。日本で活動する外国会社は日本の代表者を定めることが徹底され、Twitter社などがこれに応じたので、今は国内に送ればいいのでだいぶ楽になりました。以前は開示請求の仮処分、訴訟を経て1年ぐらいかかっていたのが、半分から3分の2ぐらいまで短縮されています。また、こういう事件に対して裁判所の対応も慣れて早くなっているので、昔の原則論からはかなり変わってきていると思います。

――以前よりも訴えやすくなった状況はあるわけですね。

中川:そうです。今回のケースみたいに誹謗中傷を受けた直後に相談に来てくれると動かしやすいのですが、通信記録の保存期間が短いため何ヶ月も経ってからは相談に来られても、なかなか誹謗中傷を書いた人を特定して責任追及というところまでは厳しい現状はあります。

◆本人の投稿が炎上に油を注いだ?

――もっち~氏の話に戻すと、炎上する前に本人が「ホームランボールを捕らせていただきました」という投稿をあげてそれも火種になっていました。

中川:それがあったから、余計に勘違いされて炎上に繫がってしまった。彼は炎上直後に怖くなってSNSを削除しているんですが、偽アカウントで「子供から盗んでしまい」というようなデマ投稿が広く拡散されてしまったことも悪質ですよ。

――リツイートやいいね!などで拡散してしまった人が責任を問われる可能性は?

中川:どちらも訴えが認められているケースはあります。誹謗中傷を拡散させている行為ですから責任が問われる。例えば、アカウント名と顔写真を一緒に投稿している場合は特定性が認められる可能性が高いです。

◆「死ね」だと訴える対象になりにくい?

――逆に訴えることが難しいケースは?

中川:被害者のアカウント名だけとか、写真も不特定多数が映っているようなものだと厳しい。裁判では本人と特定できるか否かっていうのはいつも論点にはなります。

――人格否定につながる「殺す」のような言葉だと訴えやすくて、「死ね」だと訴える対象になりにくいという話も聞いたのですが。

中川:個人的には、特定のワードだから難しい、難しくないじゃないと思うんですよ。それが書かれている文脈とか状況が大事になってくる。例えば、相手も知っている人で論争の流れで「死ね」と書いてあったら下品だけど脅迫している内容にはあたらない可能性はある。でも、そういう文脈もないのに匿名の人からいきなり「死ね」って書かれたらそれは違う。意見や論評を逸脱しているか、受忍できるような内容なのかっていうのもありますね。

◆「誹謗中傷」と「批判」の違い

――「誹謗中傷」と「批判」の違いは?

中川:最高裁でもいっているのは、人身攻撃にあたるかどうかですよね。また、人格的なものを否定するものであればそれは侮辱的表現という形で、名誉毀損でなくても侮辱的表現で違法行為が成立する場合がある。侮蔑罪の刑罰も重くなった。

 今までは拘留(1日から30日未満の刑務所収容)か、科料(1000円以上1万円以下の罰金相当)でした。それが、1年以下の懲役または30万円以上の罰金も加わり、引き上げとなりました。今まではよほどのケースじゃないと侮辱罪に問われることが極めて少なかった。それがあまりにも悪質なケースとして認められれば、しっかり罰する方向になってきています。

◆誹謗中傷は誰にでも起こりうること

――誹謗中傷に関して、さらに法改正が必要だと感じる部分はありますか?

中川:プロバイダーの保存期間はもう少し伸ばすべきですね。今は3~6か月といわれていて、手間取ってしまうと泣き寝入りするしかないので。それから同じアカウントの直近の投稿でもIPアドレスが開示されれば、そのあたりの問題も少し解決するのかなと思います。現状だと開示請求できるのは論争の対象になる投稿だけで、時間経過してしまえば追うのは難しいです。

――自分が誹謗中傷されているのを見つけて訴えたいと思ったら、準備しておくことはありますか。

中川:該当の投稿内容のスクリーンショットとURLを押さえることは大事です。投稿をプリントアウトするだけだとURLがわからなくなってしまうので、そういう情報が揃っていると弁護士も動きやすいと思います。

 法改正したとはいえ、まだまだ緊急性を要する案件なので、できるかぎり早く専門家に相談に行かれるのがいいと思います。それから誹謗中傷に反論するのは、つい感情的に発した内容で相手を訴える際の材料を失ってしまう可能性があるので控えたほうがいいですね。誹謗中傷する側もわかっていて揚げ足取りを狙っている。まずは冷静に対応することを心得てください。

――何がきっかけで誹謗中傷がエスカレートするかもわからない。

中川:そう。現代において、誹謗中傷は誰にでも起こり得ること。今回の件も声明を発表したときに「黙っておけばよかったのに」という意見が多かったんです。ツイッターのような匿名性だからこそ歪んだ正義も生まれやすい。それに黙って屈するのは正常ではないと思います。相談に来れずに心が折れてしまう人も多い。それをどう食い止められるのかを考えるきっかけにしてもらいたいのです。実際に誹謗中傷をしている人に会いに行くと、おとなしくて普通の方が大半ですから。

<取材・文/吉岡俊>

【中川 素充】
東京大学法学部卒業後、弁護士登録。オアシス法律事務所を開設、代表弁護士を務める。福島原発被害首都圏弁護団、薬害肝炎東京弁護団、全国安愚楽牧場被害対策弁護団、預貯金過誤払被害対策弁護団、平成電電被害対策弁護団などを担当

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/magazine/12193-2388092/

-炎上

炎上リサーチ ワールドカップもね
Translate »