もっとも、貢献度の高かったアルカンタラの解雇は、球団としても容易な決断ではなかった。「昨日今日で決めたことではない」と断じるイ・スンヨプ監督は、指揮官としての複雑な胸中を打ち明けている。
「アルカンタラは怪我をして、回復をする時間が長くなるにつれて、いつかは“その時”を覚悟しなければならないかもしれないと思っていた。そして彼がリハビリから戻ってきてから球威が戻ってなかった投球を見て、その気持ちが強くなっていった。
ただ、彼は以前に20勝を挙げ、昨年も13勝した投手だ。そういうレベルの選手をこうして解雇するというのは、一日や二日で決められることではなかった。我々はとにかく慎重に考えた。ただ、復帰してから7登板で回復の兆しが見えなかったから決断をするしかなった」
群雄割拠のプロ野球界。その中で今回のアルカンタラへの決定は、何よりも“結果”を求められる助っ人選手の過酷な環境を物語る一例と言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]