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■景色と風を感じ「仕事の疲れを癒やしながら…」
通勤などの移動手段として、東京都が進める“舟旅通勤”。その新たなルートとなる「五反田~天王洲」間の運航が14日に始まった。初日・第一便の40席は完売。
利用客(60代)
「都心で船に乗る機会ってあんまりないので、それできょう来てみました」
午後4時、天王洲に向かって五反田を出発。都会のビルの合間をゆっくりと進んでいく。
船での通勤の魅力は、次々と変わる景色。
東京都がこの航路を選んだ狙いは、オフィスビルや商業施設が多い五反田と、開発が進む天王洲エリアをつなげること。また、仕事帰りにこの2つのエリアを訪れる人の利用も期待できるという。
12日、日本橋を視察した東京都・小池百合子知事はこのように話した。
小池知事
「水辺に顔を向けた街づくり、舟運の活性化に取り組んでおります」
都は船による通勤を定着させ、水辺のにぎわい創出にもつなげるため、船の運航会社に補助金を出している。
おととし10月に「日本橋~豊洲」間が運航を開始。去年5月には「晴海~日の出」間が運航を始め、今回が3本目の航路となる。
運航会社「ジール」 平野拓身代表
「仕事に疲れたり嫌なことがあったり、ちょっと愚痴を言いたい時に、ぜひ帰りにこの船に乗っていただいて、たまにはグリーン車に乗った気分で、少し料金が高くても、気分を変えてこの船を使ってもらえたらいいなと考えています」
船は平日の午後4時~午後10時まで7便運航。所要時間は35分で片道900円だ。
利用客(50代)
「大崎で勤務しているんですけど、こういう建物を改めて川から見ると新鮮でしたし、最高でしたよ」
利用客(30代)
「満員電車とかで乗って帰るんだったら、これでゆっくり仕事の疲れを癒やしながら帰ってきたら最高じゃないかなと思いました」
一方、お金を気にする人もいる。
60代
「(Q.運賃はいくらか?)割高になっていて、500円ぐらいかな」
「(Q.900円になります)え~、ちょっと高いかな」
50代
「なかなか移動だけだと(利用者が)限られちゃうじゃないですか。(補助金は)あんまりちょっと良くないかなとは思います」
■活性化、防災にも期待
東京都が進める舟旅通勤だが、課題も山積しているようだ。
今回の「五反田~天王洲」区間の定期運航を行う船舶会社の代表・平野さんは、燃料費や人件費の高騰で「900円の運賃でも利用客が30人以下では採算は取れない」という。
東京都は2023年度から、舟旅通勤の民間事業者を支援するため、1隻あたりの船の改良費2500万円や、一日あたり10万円を上限に補助金を出している。しかし、その補助金も今年度で終了する予定のため、それまでに利用客を増やすという課題があるという。
これまでは観光利用がメインだった定期便だが、なぜ東京都は通勤での利用に力を入れているのか。
東京都は「水辺のにぎわい創出」などを挙げているが、12日に小池都知事は「川を活用することによって人の流れ、渋滞、混雑を避ける」としたうえで、「防災の際の緊急のツールとして有効に活用する」と、地震など有事の際に応用する狙いがあるとしている。
舟運に詳しい国士舘大学・岡島建教授は「通勤として日常から活用することで、事前に川のルートの安全確認ができるので、首都直下型地震などの有事の際に防災面で役に立つのは確か。しかし、通勤活用としてどれくらいの需要があるのか、今後課題が残るのも事実」と指摘している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年5月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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