高島平にタワマン計画浮上　「東洋一のマンモス団地」激変？　住民に期待と不安【もっと知りたい！】【グッド！モーニング】(2025年3月5日)ANNnewsCH

■一時3万人暮らす　高島平団地の再整備計画

　高度経済成長の真っただ中、1972年に建設された「高島平団地」。「都心に最も近い団地」というキャッチフレーズで、応募が殺到。3万人以上が暮らす「東洋一のマンモス団地」と呼ばれました。

　しかし、建設から半世紀、昭和の風情を今に伝える団地は建物の老朽化や少子高齢化が急速に進んでいます。

　そこで東京・板橋区が打ち出したのは、高島平団地の再整備計画です。

　東西1.5キロに伸び、東京ドーム8個分の広さを誇る高島平団地。その中央には18年前に廃校になった小学校が残されています。

　板橋区は校舎を解体し、跡地に高さ110メートルのタワーマンションを建設。すぐ隣の緑道を分断する形で、区道と幹線道路を接続する計画です。およそ団地2000戸分の建て替えなども発表しています。

53年営業の理髪店　伊藤正徳さん（54）
「うちとしてはその時点でお店を閉めるしかないかなと思っている」

　父親と共に団地の建設時から53年にわたって団地内で理髪店を営んできた伊藤さんは、立ち退くことを決意しています。

伊藤さん
「建て直して若い世代の方々が入居していただいて、活性化が図れればと思う」

■住民に期待と不安　板橋区は理解呼び掛け

　人口が3万人から1万8000人に減り、その4割が高齢者という現状から計画への理解を示す住民がいる一方、再整備の内容に反発する声も上がっています。

再整備計画に反対　山名泉さん（82）
「もちろん反対」
「ここの団地が大体11階ですけど、これの3倍ぐらいの高さを建てようとしている。あまりにも高過ぎるんじゃないか」

　1972年の完成当初から住んでいる山名さんは、周囲よりはるかに高いタワーマンションによって景観が損なわれ、静かだった周辺道路の交通量が増加し、事故の危険性が高まるのではないかなど不安を口にします。

　住民の声が計画に反映されていないとして、山名さん夫婦は計画に疑問を投げ掛けます。

再整備計画に反対　山名悦子さん（72）
「街をつくっていくのは住んでいる人間だっていうことは、それは区に感じてほしいと思う」

　自治会長の宮坂幸正さんは、再整備自体には賛成だといいますが、計画内容を見直すよう要望書を区に提出しました。

高島平三丁目自治会　宮坂会長
「区も具体的にそういう案ははっきりと発表してない。ですから我々にとっても、全く先が見えないという不安な話」

　板橋区は、住民説明会などを通じて理解を呼び掛けています。

　反対の声が上がっていることに対し、板橋区の担当者はこうコメントしています。

板橋区　まちづくり推進室　担当者
「現時点では具体的な建物や道路の計画を示す段階になく、心配や不安につながっているものと考えます。まちづくりは専門的な内容も多く、今後段階的に計画が明らかになっていくものであるため、その都度ご理解いただけるよう引き続き対応していきます」

（「グッド！モーニング」2025年3月5日放送分より）
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